憎悪との対峙
39 危険な違和感
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がに安食ちゃんでも気づかないようなら教えてあげようと思ったけどさ』
安食はこの少年の頭の回転の速度にはいつも不気味さを覚えていた。
年齢は小学生か中学生程度にも関わらず、凄まじい知能とそれを実行する行動力、イレギュラーな事態でもすぐに対応する柔軟さが自分を遥かに上回っている。
スターダスト=彩斗からも近いものを感じられていた。
そのせいか不思議と潰してしまいたくなってしまう。
そして気づけば、作戦を続行するために傷ついた肉体に鞭打って準備を進めていた。
「連中は装置の残骸と高垣の持っている計画書を見れば、我々の作戦は既に失敗したと思うだろう。それこそこちらのアドバンテージになる。その隙に作戦を実行する」
『さすが安食ちゃん、頭いいねぇ』
一見、作戦が失敗したと思われる状況なら警戒は緩み、その隙に決行するつもりだった。
普通ならValkyrieは入念な準備をしている。
過激派のゲリラの類ならば、計画が失敗すれば自爆テロや無差別殺人など無計画に暴れまわる可能性も大きいが、Valkyrieのようなこの手の組織は計画外の行動は起こしにくい。
必要不可欠なものが破壊され、立て直す時間も無い狂った歯車を無理に動かすというのは、不可能である上、リスクが大き過ぎる。
そう考える以上は計画は失敗していると判断するだろう。
だが幸いなことに代用できるものが用意出来き、計画は僅かに修正する程度で実行できる状況だ。
しかし懸念はある。
「だがロックマンに関しては侮れない。お前同様に頭が切れる、つまりこの代替案にも気づくかもしれない。しかも、あれだけのダメージを与えた後、たった2日で普通に戦闘が行える状態になっていたとすれば、今日の戦闘で多少のダメージを与えても明日までには回復している可能性が大きい。それでこそゾンビみたいにな」
『まぁね、じゃあオレは高垣のオバサンを連れ戻す事にするよ。今回の計画の貢献者だ。特等席で見せてあげたいだろう?』
「フッ…」
『で、その後はしばらくニホンを観光することにするから。めったにっていうか多分、インターネットがダウンして混乱したニホンなんて一生拝めないからな』
「…いいだろう」
『んじゃ』
少年は電話を切ろうとした。
安食が計画を続行するということだけ分かれば満足だった。
つまりスターダストとナイトメア・テイピアの戦闘が再び見られる可能性がある。
明日の晩までには恐らくスターダストはバージョンアップする。
シドウがスターダスト=彩斗だと知った以上、ヨイリーに伝わる可能性も大きい。
そうなればヨイリーから何らかの手段でスターダストに接触がある。
その時、スターダストは完成する。
仮に思惑通りにいかなくとも、明日までには彩斗の肉体とスターダストは完全に適合する。
肉体の方もシ
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