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(仮称)問題児たちと一緒に転生者が二人ほど箱庭に来るそうですよ?
読み切り的な話
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クリアできないギフトゲーム。このギフトゲームで敗れて往った神仏達はいつか彼等をこう呼んだそうです。―――魔王≠ニ」
「彼奴等が魔王≠ニ恐れられて以降、主催者権限を悪用する者は畏怖と恐怖を籠められて魔王≠ニ呼ばれるようになった」


 箱庭において魔王とは天災。文字通りの災害なのだ。どっかの白い真砲少女や兎の渾名とは違う。
 この箱庭に『魔王』という名を創り出し、広めた存在。それこそが今回の原初の魔王達≠セ。


「かの原初達≠ェ属する連合コミュニティの名はエルプシャフト=B上層一桁、零番外門にコミュニティを構えておる。人数詳細は誰もわかっておらんが、二十前後のコミュニティが一つの連盟を組んだモノがエルプシャフト≠セ。連盟を組んだ各コミュニティのリーダーと一部の幹部達は、それぞれが少なくとも私十人分の実力以上を持っていると考えてよい。各コミュニティのリーダー等は全員揃って人類最終試練(ラスト・エンブリオ)の様なものだからな。旗を見るに、連盟コミュニティ全てが動員されていると断言できる」


 その言葉を聞いて、十六夜達に緊張が奔る。

 この箱庭は全部で七層の巨大なバウムクーヘンの様な形状になっている。五桁を中層とし、六桁以下を下層、四桁以上を上層と呼ぶ。しかも、上層からは桁一つ違うだけで別次元とも言える力の差が存在する。

 例え五桁で最上級クラスの力を所持する者でも、四桁に昇格することは困難通り越して不可能と言っていい。
 階層支配者(フロアマスター)の様に最強種の後ろ盾でもない限り、昇格する事はほぼ不可能である。それこそ、相応の功績≠ゥ、大規模な歴史の転換期≠ナも起きない限り。

 一桁、それも零番外門に居住を構えているという事は、それは箱庭で敵う存在の居ない無敵かつ最強のコミュニティという事に他ならない。

 加えて、低く見積もっても白夜叉の八倍以上の実力を持つ者が少なくとも二十人。
 人類最終試練(ラスト・エンブリオ)が何なのかは理解し切れていないが、箱庭に呼び出されたその日に白夜叉の実力の片鱗を見た十六夜達異世界組は絶対に適わない事を悟る。


「しかし、何故こんな入り組んだルールかつ対象が外にまで向けられたゲームを仕掛けた? 傘下のコミュニティもプレイヤー側に入っておるのだが――」
『……なに、少々キナ臭い噂を美猴王に聞いてな』


 白夜叉の疑問に答える抑揚のない声。
 全員が声のする方向に向くと、そこに魔王達≠ヘ存在した。
 蒼い(ひかがみ)まで伸びた長髪に仮面を着けた和装の者と、黒髪紅眼で黒いジャージの様な和服を着た者。
 二人の魔王の衣類の胸元には突如現れた旗印と同じ紋章が刻まれていた。


『……現在封印中の絶対悪=\―アジ・ダカーハ。…
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