第二百二話
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第二百二話 亜美が思ったこと
亜美は練習しつつだ、華奈子と美奈子にこんなことを言った。やはり練習の合間で二人に言ったのである。
「あの、ちょっとええかな」
「ええかって?」
「どうしたのかしら」
「いや、何かうちバンド入って間もないけれど」
少し首を傾げつつの言葉だった。
「ええんかなって」
「ええんかなって何が?」
「何が?」
「いや、皆に演奏ついていけてるやろか」
このことをだ、亜美は気にしているのだ。
「それが不安やけど」
「いけてるわよ」
「私もそう思うわ」
華奈子と美奈子はその亜美にこう答えた。
「普通にね」
「私達と同じ位よ」
「というか亜美ちゃんってね」
「上手だと思うわ」
「まあ何ていうか」
亜美は二人に自分のことを話した。
「自分でも気になって練習しててん」
「亜美ちゃんだけでも」
「そうしていたの」
「そやねん、皆の足手まといになりたくないから」
それで、というのだ。
「一人でやってたけどそれがよかってんな」
「そうね、やっぱりね」
「演奏も練習した分だけついてくるから」
「だからね」
「亜美さんもなのよ」
「そういうことやねんな、やっぱり人間努力やな」
亜美は自分の練習と二人に言われたことを思い出しつつ述べた。
「努力って大事やな」
「うん、やってるとね」
「何でもよくなるから」
二人も亜美に言う。
「亜美ちゃんもね」
「よくなったのよ」
「はっきり言って演奏上手だから」
「むしろ私達よりも」
「何か負けていられないっていうか」
「そうも思う位よ」
そこまでのレベルとも言う二人だった、そしてこれはお世辞ではなく二人が実際にそう思っていることだ。
その言葉を受けてだ、亜美はこう言った。
「ほなこのままやるで」
「うん、一緒にね」
「頑張っていきましょう」
「本番も成功させるわ」
亜美の目は燃えていた、そうしてそのまま演奏をしていくのだった。亜美の演奏のレベルもかなりのものになっていた。
第二百二話 完
2015・1・14
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