第三十七話 川の中での戦いその十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「貴様は後の者達に任せる」
「そう言うんだね」
「そうだ、わしはこれで去る」
「じゃあな」
「いい闘いだったと言っておく」
最後にこう言ってだった、怪人は完全に灰となり風の中に消えていった。少女達はまた今度も戦いを生き残ることが出来た。
その戦いが終わってだ、薊は言った。
「今回もな」
「ええ、生き残れたわね」
菫がその薊に応える。二人はまだ川の中にいる。
「無事に」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「ちょっとな、川の中で戦ったからな」
薊はここで少し苦笑いになった、そしてこう言ったのだった。
「足首まで水の中にあって」
「そうね、そのせいでね」
「靴も靴下もな」
「完全にびしょ濡れね」
「足全体が濡れてるよ」
二人共だった、ズボンまで濡れていた。
「参ったね、こりゃ」
「乾かさないとね」
「そうだよな、火を使うか」
薊はここでこう言った。
「仕方ないからな」
「火の熱で乾かすのね」
「そうするかい?ここは」
「服燃やさないわよね」
「服は燃えないな、そういえば」
薊は菫の言葉でこのことに気付いた。
「いつも火使って戦ってるけれど」
「そうなのね」
「菖蒲ちゃんだってな」
薊は川岸で戦いを見守っていて今もそこにいる菖蒲を見てまた言った。
「水や氷使ってもな」
「そういえば濡れないわね」
「あと菊ちゃんも土で濡れないし」
「黒蘭ちゃんも雷で服焦げなくて」
「その辺りは自分の力なのかね」
「そこも気になるわね」
「何なんだろうな、本当に」
自分達の力についてだ、こうも言った薊だった。
「あたし達の力って」
「オーラなのかね」
「オーラ?」
「ああ、仏の明王さんとか後ろに火を背負ってるだろ」
薊は川岸の方に向かいながら菫に話した。菫も共に川岸に向かっている。
「それでも服とか燃えないよな」
「自分自身もね」
「あれオーラってな、お師匠さんに言われたんだよ」
薊はここでも彼女の師匠の名前を出した。
「だから服とか自分も燃えないってな」
「それでなのね」
「ああ、それだったらな」
「私達にしても」
「服が燃えたりしないのかもな」
それで、というのだ。
「敵は燃やせても」
「そういうことかしら」
「まあとにかくな」
ここまで話してだ、薊はさらに言った。
「ここから出てな」
「服を乾かさないとね」
「夏でも濡れたままはよくないからな」
「身体を冷やすからね」
「特に女の子はな」
女の子は身体を冷やしてはよくない、これは男の子以上にだ。それは女の子の身体故に昔から言われていることだ。
「このこともお師匠さんに言われたよ」
「何か色々教えてくれるお師匠さんね」
「院長さんと一緒であたしの親だよ、いや」
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ