第012話 執念のゼロ
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つまり、そう言うことだった。
**********
「ハトちゃんが起きないようにお願いね」
と、カツコに忠告されたので
セキレイはなるべく揺れないようにしながら
廊下を早歩きで進んで行った。
「すー‥‥‥すー‥‥‥‥」
耳付近にハトの鼻息が当たって、少しくすぐったかった。
セキレイは自分が今、どんな顔をしているのかわからなかった。
カツコがこっちを見てニヤけているように見えたが
おそらく気のせいだろう(と思いたい)。
「ここを登ればもうすぐだ」
ジョンは曲がり角の先の階段の前で言った。
そして、階段を上り始めた。
「揺らさないように走るのは無理だな」
階段は上下運動必至の場所だったので
セキレイはできる限りの配慮をしながら
急いで階段を上り始めた。
ハトが揺れているのを何となく背中で感じていた。
「う‥‥‥うにゅ‥‥‥‥」
ハトが変な声を上げたのでセキレイは
顔を赤くして自分の唇をくわえた。
後ろでカツコがクスクスと笑っていた。
「どうしたセキレイ?動きがぎこちないが。
やっぱり背負う役を代わるか?」
ジョンが少し下から声をかけた。
遠かったので聞こえていなかったようだ。
「い、いや、全然大丈夫だ!」
セキレイは階段を上りるスピードを上げながら答えた。
**********
「ようやく着いたぜ‥‥‥‥‥」
セキレイは背中のハトの位置を戻しながら言った。
カツコやジョンも、すぐに追いついてきた。
「うわ、何よこれ!?」
カツコは目の前の巨大なカベを見て声を上げた。
見た目は金庫の扉を超巨大にしたものを想像して貰えば速いだろう。
「馬鹿デカいわね‥‥‥‥‥開くのかしら?」
それを聞いたセキレイはとりあえず答えた。
「鍵を使うとか」
「そうね。ここら辺のにある穴にはめ込んで‥‥‥‥‥
ってないじゃない!ていうか、最近は電子ロック!!」
カツコはノリツッコみをした。
しかし、本気で開かないことに困っていた。
何重にもなったロックを壊すのは、かなり時間がかかるだろう。
ていうか、壊せるのか? 色々な疑問が頭に浮かんだ。
「熱で焼き切るか?」
カイエンは″パーシヴァル″を懐から取り出した。
しかし、カツコは彼を止めた。
「あなたは体力を消費しすぎだわ。
今倒れられたら困るから、止めておいて頂戴」
「‥‥‥‥‥‥そうじゃな」
カイエンは剣を鞘に収めて懐にしまった。
そして、カツコに訊いた。
「ならどうするんじゃ?」
その質問に答えられず、彼女はそのまま黙り込んだ。
全員もしばらく金庫の前で
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