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鎧虫戦記-バグレイダース-
第012話 執念のゼロ
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ジョンとセキレイが本命、に見せかけて囮で
ハトが最後にとどめを刺した。ここまではお分かりだろう。

今から説明するのは細かい点についてである。

セキレイが壊した壁は、ハトが殴る時に使用するために用意したものである。
軽く変形させて、手に丁度はまるような形にしていた。
その、言わば手甲をした状態でハトはゼロを殴り飛ばしました。
万が一、ゼロが炎でガードしてもすぐに火傷をしない為の配慮である。

セキレイやカツコにコツを習って腕だけを変身させていたので
壁の手甲で拳を痛めたりしないようにもしていたのだ。




「髪が伸びちゃってる‥‥‥‥‥何か落ち着かない」

ハトは肩付近まで伸びた長い髪を弄りながらつぶやいた。
普段は首の後ろぐらいなので、何だかソワソワしているように見えた。

「しなくていい部分までやっちゃったようね。
 能力を意識的に使うには反復練習が大事だから
 次からはイメージしながら使うようにした方がいいわよ」

カツコは髪を弄るハトを見上げながらアドバイスをした。
ハトはわかった、と言って目を閉じた。


 バシュウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!


ハトの身体は蒸気になって霧散し
セキレイの胸の高さほどしかない身長に戻った。

「おっとっと、疲れた‥‥‥‥‥」

彼女は足元をふらつかせながらつぶやいた。
カツコは歩み寄って支えたまま頭をなでた。

「ハトちゃんの″超技術″は体力を沢山使うから
 あんまり、むやみやたらに使っちゃダメよ。これは約束ね」
「うん、分かった〜‥‥‥‥」

ハトはカツコにもたれ掛かったまま答えた。
セキレイもハトに近寄って軽く頭をなでた。
彼女の髪質はとても柔らかかった。

「本当に助かったぜ。ありがとな、ハト」

ハトは顔を赤くして照れた。そして、ちょっと笑った。
そして、疲れたのかそのまま眠ってしまった。

「本当に疲れたみたいね」

カツコはハトの頬をさすりながら言った。
安らかに眠る彼女の顔を見たセキレイは少し顔を赤くした。

「それよりもおばちゃん、急いで上に行った方がいいんじゃないのか?」

ジョンが少し離れた位置から訊いた。
カツコはうーん、という声を発しながら悩んでいた。

「ハトちゃんが寝ちゃったから‥‥‥‥どうしようかと思って」

確かに眠っている彼女を連れて、この先に進むのは危険すぎる。
しかし、いつゼロが起き上がって来て戦いが再開するかもわからない。
全員は唸りながら考え込んだ。

「この中で一番、防御力が高いヤツが背負って行けばいいんじゃないか?」

セキレイが全員に提案した。
それを聞いた全員がセキレイを指さした。

「‥‥‥‥‥‥あ」

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