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鎧虫戦記-バグレイダース-
第012話 執念のゼロ
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「おりゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!」


何と走って来ていたのはハトだった。
ゼロは少し困惑したような表情だったが
すぐに冷静さを取り戻し、剣を構えた。

「たとえ、子供が相手でもオレは容赦しない」


 ボォォォォッ!!


赤い炎がハトに向かって揺らめいて見えた。
しかし、彼女は決して止まらなかった。
 

 ボオォォォォォォォッ!!


炎に焼かれたらきっと痛いだろう。
もしかしたら死んでしまうかもしれない。
ハトは心の中で焼き切られる自分を想像した。
身の毛もよだつ光景だった。


 ボオォォォォォォォォォォッ!!


彼女はいつも心の中で思っていた。
『いつか、みんなの役に立ちたい』と。
セキレイやジョン、カツコにカイエン。
彼女はいつも誰かに守られていた。
だが、今回は違う。誰も守ってくれないのだ。


 ボオォォォォォォォォォォォォォッ!!


今こそ、彼女の真価が問われる時だった。
ハトは大きく息を吸った。そして、力の限り叫んだ。

「″巨人制御《ギガンティックコントロール》″!!」


 バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!


次の瞬間、ハトの身体は蒸気に包まれた。
あたりが霧に包まれたかのような視界の悪さだった。
だが、ゼロは油断をしていなかった。
一体どのように攻めて来ても適切に対応すれば
あんな少女など恐れる必要はない、そう思っていた。


 ゴォオォォォォォォォォォォォッッ!!


何か巨大な影が蒸気の向こうで蠢いていた。
おそらく、このまま突っ込んで来るのだろうと
彼は予測していた。能力についての説明も受けていたため
巨大化するという事は、すでに聞いていたのだ。
故に大して驚いてはいなかった。次の瞬間までは。

「現れた瞬間に叩き斬ってやる。覚悟し――――――――」
「おりゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああッッ!!」


 ゴオォォォォッ!


蒸気によって隠されていた彼女が
腕で前の蒸気を仰いで、ついに姿を現した。
彼女は大きく右腕を振りかぶっていた。
それを見て彼が最初に思った一言は。

『話に聞いてな―――――――――』


 ドゴオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオンンッ!!


「ガハッ!!」

ハトが殴った時の強烈なパワーに
ゼロは特殊強化アイロン製の壁まで弾き飛ばされた。
そして激突し、そのまま深々と壁にめり込んでいた。

『これが‥‥‥‥彼女の真の能力(ちから)‥‥‥か‥‥‥‥‥』

 ガクッ

彼はそのまま気絶してしまった。



    **********



「わ、私‥‥‥初め
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