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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第一話
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られたのでしょう。
 だから、どうせ内容も同じものになるだろう、と・・・そう言う事でしたら、前もって言っておきましょう。

 このお話は、別の物ですよ?

 正史の人、そうでない人、そして正史とは違う『主人公』によって織りなされる新しい物語。
 それこそが、この物語なのです。

 お、ようやくその目をやめましたか。まだ一部残っていますが、まあそればっかりは仕方ありません。正史の方も一部登場なされますから、そればっかりはどうしようもないのですから。

 では、そろそろその『都市伝説』の英雄となったあの人のお話をしましょうか。
 それでは………そうですね………
 この三つの中から選んでみる、と言うのはどうでしょうか?

 一番。再現される夢。
 二番。下手なクラリネット。
 三番。黒死病の魔女。

 さっきの彼が入っていない?ええ、そうですよ。
 何故なら彼は―――これらの伝説を手に入れた、真の伝説マスター。

『畏集いし百鬼夜行』の主人公なのですから。

◆2010‐05‐11T17:30:00  “Yatugiri City”

「ハァ……ハァ……ここも、やっぱり……!」

 正直、何が起きてるのかさっぱり分からないのだが、安全な場所を求めて俺は走り続けている。
 状況を説明してもらおうにもこの街では今現在、人と言う人が全員俺に二種類の行動しかとらない。
 いないかのように振る舞うか、走り去る俺をにらみつけるか。
 こんなにも街中を走り回っているというのに、行きつけの本屋も、優しいおばちゃんと同級生でもあるそこのお孫さんが手伝ってる駄菓子屋も、人でにぎわう商店街も、そして見なれた小さな山のある公園前でも。
 恐怖で埋め尽くされている俺の表情を見ても、誰もリアクションを起こさないのだ。
 試しに車に飛び込んでも、車はすり抜ける。
 街中の人々から俺と言う存在が消えたのか、俺が実は死んでいて幽霊になっているのでもなければこんな状況にはならないだろう。それか、ホラーものの小説に飛びこんでしまったのか。
 主人公を、誰かを頼ることができない状況に置き、読者の中にだんだんと恐怖を積もらせていく手法。もしもこの状況を求めていた作家なり編集なりがいるのなら、称賛を贈りたい。もう十二分に恐怖しているし、死んでもいいからこの恐怖から解き放ってほしいと思っている。

 こんなことになるのなら、あの携帯を手に入れなければよかった、とか。
 もっと先輩と仲良くなっておけばよかった、とか。
 親友に都市伝説について詳しく聞いておけばよかった、とか。

 今ではもうどうしようも出来ないことが、走り(逃げ)続ける俺の頭の中でぐるぐると回転しては、心をマイナス方面におとしていく。何なんだ、一体。どうして俺がこ
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