暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
兄と妹。その想いに込めるのは。
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いことが大好きなので、従わせるかいっそ一度バトルして倒すかすればそれで大体は済む。
一輝ほど面白い人間は中々いないため、後従っていない異形の類はこの時点では一柱だけだったのだが。
「・・・さっきも言ったけど、俺もまだ一番の戦力が言うこと聞いてくれないんだよなぁ・・・」
「むしろ私としては、霊獣がみんな従ってることも驚きなんだけどね。・・・って、敵同士なのに手の内を明かしてもいいの?」
「あー・・・そういや、そうだな。」
自覚なしである。そして、普通にダメだ。どう考えてもダメだ。
にもかかわらず、本当にこの二人に気にする様子がない。アハハー、とか笑いあってる。
「・・・それっ!」
「ん?」
二人はならんで寝転がっていたのだが、湖札が一輝の方に転がって抱きついた。
一つ違いの男女が寝転がって重なっているという、誰が見ても勘違いする構図である。
「・・・湖札?」
「えへへ―、ぎゅー!」
問いかける一輝を無視して抱きつく力を強め、一輝との密着具合をあげる。
一輝はつい先日再会した時の湖札とは違う、まるで昔に戻ったかのような様子に少し驚きながらも、懐かしみ、その背に手をまわして抱き返す。
「・・・ねえ、お兄ちゃん。やっぱりこっちにこない?」
「・・・諦めてなかったのか。」
「うん。だってそうでしょ?お兄ちゃんだって・・・鬼道の一族がどっち側なのかは、分かってるはずだし。」
「・・・まあ、そうなんだけどなぁ・・・」
一輝自身、自分が善側の存在だとは微塵も思っていない。
自分自身の目的のために、気分のために、ただ気に入らなかったという理由だけで、多くの人を殺してきているのだ。
性別を問わず、年齢を問わず、種族を問わず、その手にかけてきた。
《そんな自分がどっち側なのか、それは理解してるけど・・・》
「・・・それでも俺は、今の場所にいたいんだよ。だから、そっちに行くことはできない。」
「・・・絶対に?」
「ああ、絶対に。」
「・・・お兄ちゃんの、ばか」
拗ねたように一言つぶやき、湖札は一輝から離れる。
そのまま立ちあがると、一輝を指差して、
「今回のゲーム、私は兄さん達の相手をするように言われてるの。」
「ああ。予想はついてる。」
「だから、そこで私の主催者権限で兄さんにゲームを挑む。そして・・・それに負けたら、兄さんは私に隷属して。」
一緒に来てでも、また暮らしたいでもなく、隷属して。
それは、一輝がいくら言っても聞かないと分かっているからこその言葉であった。
それでも一緒にいたいのなら、選択肢は二つ。湖札が自分から取れるのは、こちらだけである。
「・・・そうか、分かった。なら、こっちからも二つ。」
「私の出した数よりも多い・・・うん、何?」
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