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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄と妹。その想いに込めるのは。
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気軽さで話す一輝だが、その時の戦いの傷跡は元の世界に今でも残っている。それほどのことをしておきながら、自由なものだ。

「そう言えば、中国の第一位とも戦ったって聞いてるけど?」
「ああ、あいつか・・・開始十秒で足と腕折ったから、そんなに強くないんじゃないか?」
「ねえ知ってる?あの頃は、中国の第一位は世界四位で、ヨーロッパの一位は世界八位だったんだよ?」

つい湖札が突っ込みに回ってしまうレベルの驚きだったようだ。
だがしかし、一輝は特に何も感じていないようで、

「で、湖札の方は何かあったのか?」
「え、えっと・・・そうだ。ちょっと悪魔の封印をと行っちゃって大惨事になったことはあったなぁ。」
「どんな感じに?」
「うん、それがね・・・雨宿りに立ち寄った神殿に悪魔が封印されてたみたいで。ふとした拍子にそれを解放しちゃってもう大変!」

さらっとものすごいことを言っている。こういうところは、一輝の妹だ。

「全部殺して封印したころに神殿を管理してた人たちが来てさー。結構怒られたんだよね。」
「そいつは大変だったな。それで、その悪魔ってのはなんだったんだ?」
「えっと、確か・・・アガレスとアンドロマリウス、アムドゥスキアスだったかな。といっても、完全に悪魔としての姿で出てきたからこの三体での主催者権限は無理みたいなんだけど。」

結構な大物である。何故主催者権限を持ちえないのかが不思議なほどに。
そして、その三体を相手取って全て殺して封印してしまう湖札にも驚きであるが。

「その頃は、まだ奥義の習得できてなかったんだろ?よくその三体を殺せたな。」
「その辺りは、相性の問題かな。それこそ三体が七つの大罪の悪魔だったり他の神話体系の悪魔だったりしたら難しかったけど、『ソロモン七十二柱』を討つ矢を作ったら、まとめて潰せた。」

湖札の持つ、とある女神から与えられたギフト、『言霊の矢』。敵の持つ霊格を語ることでその力、存在を討つ矢は、ソロモン七十二柱という大まかな括りでも討ち抜けたようだ。

「その三体はまだブチブチ言ってるから、使ったこと無いんだけどね。」
「自分で殺したんだから、強制的に従わせることも出来るんじゃないか?」
「出来るんだけど、それだといつまでたっても仲良くなれそうにないから。どうでもいい妖怪とかはそれで済ませてるんだけど、あの三体はちゃんと強いからねぇ。」

鬼道の檻の中の存在は、殺した本人は強制的に従わせることができる。故に、檻の中身が全て自分の手で殺した存在である湖札は中身の全てを従わせることが出来るのだが、それをするつもりはないという事だろう。
ちなみに、一輝の場合は代々の鬼道に連なる全ての者の檻の中身がまとめられているので、大部分が自分からは一輝に従わない。どいつもこいつも面白
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