暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄と妹。その想いに込めるのは。
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楽しむ。これには一輝のもつ感情に問題があるのだが、それはまたの機会に。

「じゃあ、どうせなら話しながらすごそっか。遊ぶのはこの間やったし。」
「OK。話す内容は、そうだな・・・箱庭に来てからかその前のお互いに有ってない期間か、どっちにする?」
「箱庭に来る前の方がいいんじゃない?私は兄さんが何をしてたのかリンちゃんに調べてもらってたからなんとなく知ってるし、私の方は邪魔な人達を殺してたって話くらいしかないから。」
「了解。じゃあ、俺からでいいかな。」

湖札の発言に対して何も思うところはなく、一輝は話す内容を探す。
湖札が一輝に会いたいという理由だけで魔王連盟に参加し、その手を血に染めることに何の躊躇いも感じなかったように、一輝もまた感覚が狂っている。
自分と深い関わりのない人間が死のうが食われようが何とも思わない。だからこそ湖札が自分を探すために罪を重ねていたとしても何も言わないし、何も感じない。
むしろ二人の立場が逆であったのなら一輝は何の躊躇いもなくそうしていただろうし、また今の立場でもその必要があるのなら何人でも殺せる。
自分の大切なもの、大切な思い、大切な人のためなら文字通り何でもできるのが、この兄妹なのだ。

「つっても、俺もそこまで面白いストーリーがあるわけでもないんだよな。お姫様を助けた話は、湖札も知ってるんだろ?」
「うん。それはもう、遊園地に連れて行ったとか同じ部屋で過ごしたとか、色々とね。」

呆れ半分、ムカつき半分という声音で湖札は言うが、一輝は徹底して気付かないふりをして、次の話を探す。
一瞬同じ布団で寝た話をしてやろうかと悩んだが、さすがにそれは地雷だと理解したようだ。

「後はまあ、席組みになった関係で面倒事が増えたくらいかな。光也はあんまり表に出せない仕事を正体不明だからって俺に押し付けるし。」

その度に莫大な金をむしり取っていたやつがよく言うものだ。

「でも、その分強い敵と戦う機会もあったんじゃない?」
「そうだな。白夜とは何度模擬戦をしても勝てなかったし、慈吾朗は力では勝ってるはずなのに経験の差で負けるし。・・・カグツチと戦ったのも、今となってはいい思い出だな。」
「兄さんが一回も勝てない人間なんていたんだ・・・」

その事実に対して湖札は驚くが、その相手とこれから戦う事になることを理解しているのだろうか?
何となく、理解していない気がする。

「後は、外国の一位レベルと戦う機会ができたことかな。ヨーロッパ一位とか、かなり勝つのに苦労した。」
「それって、今代のアーサー?」
「そう、そいつ。アレクサンドラ・メイヤール。普段は超がつくくらい緩かったり、戦う時はエクスカリバーを使いだしたりで、もう強いのなんの。」

まるで楽しかった思い出を振り返るような
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