三十話:何よりも大切な―――
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した俺も、もしかして人外なのか。
て、そんな事を考えている場合じゃないな。一気にたたみかけないと。
「イッセー! 祐斗に譲渡してくれ!」
「分かったけど、殆ど残ってないぞ」
「それでもいい! 早く!」
出来ればコカビエルが起き上がる前に次の一手を打っておきたいからな。それに俺の方の譲渡された力も後少ししか、もたないだろうしな。イッセーが祐斗に力を渡すのを確認したと同時に俺はコカビエルの方へと走り始める。後は祐斗しだいだ。
「当たっても知らないよ!」
その言葉を引き金にして空から雨あられのように剣を降らしてくる祐斗。
地面に剣を生やすことが出来るからもしかしたら出来るかと思って頼んだけど本当に出来るなんてな……昔を思い出すよ。俺とガイアスとの共鳴秘奥義を再現出来るなんて感激だ。
俺は剣の雨を浴びながらも何とか立ち上がるコカビエルを睨みつけながら降って来た剣を二本ほど拝借する。うん、良い剣だ、想いが籠っている。
「相変わらず、君には驚かされるよ」
「慣れれば簡単さ」
そんな俺の横に並び話しかけて来る祐斗。俺はそれに返事を返しながらまだ、若干脳が揺れているためかフラフラとしているコカビエル目掛けて速度を上げる。それに合わせて祐斗も速度を上げる。そして二人で同時に―――切り裂く!
「「閃剣斬雨・駕王閃裂交!」」
「ガアアアアッ!?」
斬撃による閃光が迸ったと同時に爆発が起こり、コカビエルを飲み込んでいく。
……前から思っていたけど何で斬ったのに爆発するんだ?
様式美? それならしょうがないな。
俺はそんなことを考えながら剣を置き右手を上げる。それを見て祐斗も察したらしく右手を上げる。そしてパシンと良い音を立てながらハイタッチをする。
そして二人で笑い合っていると後ろから立ち上がる気配がしたので慌てて振り返る。
「ぐうっ……まさか、貴様らがここまでやるとはな」
コカビエルが何とか立ち上がっていたがその姿はすでにボロボロだったので一安心する。
あの状態ならもう何も出来ない。後は止めを刺してやるだけで十分だ。
俺は双剣を創り出し、ゆっくりとコカビエルの元に近づいていく。
「止めだ、コカビエル」
「貴様にならこの首をやっても惜しくはない」
俺が相手ではどうやっても勝てないと判断したのか、観念したように目を閉じるコカビエル。
俺はその姿に少しだけ尊敬の念を覚えてせめて苦しまないで逝けるように一気に首を落としてやろうと剣を振り上げ―――
「きゃあああっ!?」
この声はアーシア!? アーシアの元には黒歌が居たはずだ。まさか何かあったのか!?
そう思い慌ててアーシアの居た方向を見て
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