三十話:何よりも大切な―――
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「黒歌は俺の家族で大切な人だ。何に代えてでも守り抜くと決めた人だ!
だから……黒歌に手を出すなら誰であろうと俺は容赦しない、全てを壊す!」
「ルドガー…私の事を…受け入れて……グスッ…」
もし黒歌に手を出すようなら、俺は誰であろうと容赦しない、全てを破壊すると言うと、部長達は俺の気迫に恐れをなしたように一歩後退る。当然だな、部長達でも黒歌に手を出すようなら殺すって言っているようなものだからな。黒歌の方は俺に拒絶されなかったことが余程嬉しかったのかしゃくりあげている。
俺は部長達に背を向けてそんな黒歌の元に行き優しく抱きしめてポンポンと背中を叩いてやる。
本当に……どうして俺に拒絶されるなんて考えているんだよ。俺が黒歌を拒絶するはずがないだろ、俺はもう黒歌が居なかったら生きていけないぐらい、君の事を愛しているのに。
「黒歌……これが終わったら伝えたいことがあるんだ」
「ルドガー……それ死亡フラグにゃ」
俺の言葉に少し笑いながら返して来る黒歌。しまったな……ナチュラルに死亡フラグを立ててしまった。大丈夫だよな、俺死んだりしないよな? 最近自分が不幸の星の元に産まれてきたような気がしてき始めたんだよ。だから、こういうフラグを立ててしまうと高確率で成立させてしまう気がするんだよな……。
この前も鳥の糞なんて本当にピンポイントで人に当たる物なのかなんて考えた瞬間に降ってきたからな。あの時は何とかギリギリでかわすことが出来たけど俺が立てたフラグが成立しやすいのは良く分かった。今回もそうならないように祈ろう。
「そうならないように頑張るよ……それじゃあ、行ってくる」
「頑張ってにゃ……ルドガー」
黒歌を離して再びアーシアに預けてからイッセー達の元に向かう。小猫の目が何だかとげとげしいのは敵だと疑っているからだろうか? それにしてはちょっと違うような気もするな……まあ、いいか。今はコカビエルをどうにかする方が先だな。俺は足を止めてからイッセー達を見つめて声を掛ける。
「みんな、俺は今からコカビエルを倒す。俺のことが信じられないなら一緒に戦わなくていい。
でも……もし、俺のことを信じてくれるなら一緒に戦って欲しい」
そう言ってみんなの反応を確かめる。全員が何やら葛藤しているような表情になって考え込む。信じてくれないのなら信じてくれなくてもいい。俺はただ黒歌が守れたらいいだけなんだから、それ以外の事はどうでもいい。でも……どちらかと言えば信じて欲しいな。
アルヴィンも、もしかしたらこんな気持ちで俺と最初に会った時にあんなことを言ったのかもな。そんな事を思い出しているとイッセーが何かを決心したように口を開いて来た。
「正直言って…リドウの言っていた事と
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