第3章 新たなる好敵手
第13話 忍び寄る魔の手
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血相を変えて戻って来た燈輝にルームメイト達は驚いたが、凄まじい速さでデュエル・ディスクとデッキを持って部屋を出て行った燈輝に、誰も何があったのかを問いただす事はできなかった。
◇◆◇◆◇◆◇
舞台は再び、翔竜高校が借りている宿。
ルームメイト達が寝静まった部屋で自分のデッキを眺めていた遊雅は、突如鳴り響いたデュエル・ディスクの通知音に驚かされる。
デュエル・ディスクには通信端末の機能も搭載されており、デュエル・ディスク同士であっても、あるいは従来の通信端末に対しても、電波を送受信する事ができるのだ。
遊雅は慌ててデュエル・ディスクの画面を覗き込む。
通信の主は、咲峰 燈輝だった。
連絡先を共有せずとも、デュエル・ディスク同士であれば、一度デュエルすれば最新の10件まで、相手のパーソナルデータが保存される。
燈輝はそれを用いて、遊雅に連絡して来たのだった。
「もしもし、燈輝か?一体どうしたんだ?」
「こんな時間にすまない。だが遊雅、少し協力してもらいたい事があるんだ」
燈輝の声は焦りのあまりに、少しばかり震えていた。
その声を聞いて、何かよくない事が起きていると察知した遊雅は、すぐさま応答する。
「何があったんだ?俺にできる事なら協力するぞ!」
「ウチの生徒が1人、何者かにさらわれた。本来こんな事は同じ学校の生徒に頼めばいいと思うが……嫌な予感がするんだ」
「わかった。場所は?」
「すまないが詳しい場所を説明している時間がない。ディスクのGPS機能をオンにしてある。それを辿って追いかけて来てくれ」
「ああ、すぐに行く!」
遊雅は通信を終え、燈輝のパーソナルデータを呼び出す。
燈輝の言葉通り、GPS機能によって、彼の現在位置が把握できる状態になっていた。
念のため自分のデッキも持ち、遊雅は燈輝の反応がある場所まで急いだ。
綺麗な星が輝く夜だったが、たった今、遊雅にとっては暗雲の立ち込める重苦しい闇夜にしか思えなくなってしまったのだった。
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