第3章 新たなる好敵手
第13話 忍び寄る魔の手
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広場までの残りの道を、走って消化して行った。
木々に囲まれた小道を走っていると、視界に開けた場所が映り始める。
ゴールの広場だった。
勢いをそのままにして広場に飛び込んだ6人は、自分達以外には教員しかいない事を確認して歓喜する。
「おっしゃあ、一番乗りぃっ!」
「やったぁっ!」
「おっ、2班が最初か。どれ、スタンプは?」
「ちゃーんと、全部集めてますって!ほら!」
遊雅は意気揚々と教員に用紙を渡す。
設けられた5つの枠には、全て異なるスタンプが押されていた。
残りの5人の用紙も確認していく。最後の用紙を確認し終えた所で、教員はこのように言った。
「よしっ、OKだ!1位は2班だな!」
6人は手を打ちつけ合って喜びを表現する。
その後、全ての班の帰還を待ってから、表彰式が行われた。
1位の賞品は学食無料券5枚と言う中々破格な賞品だった。
表彰式が終わると共に、一同は教員が予約した宿へ向かう。
宿は風情があるログハウスだった。
「お洒落な宿ね。ちょっとわくわくしちゃうかも」
「そうだな。こう言う所って泊まった事ないもんな」
ちなみに部屋割りは、男女別に班毎となっている。
従って、遊雅のルームメイトは同じ班の秋弥ともう1人の男子生徒、3人で1部屋を使用する事になる。
「おー、すげぇ、立派な部屋だなぁ」
「こんな部屋を3人で使えるなんて、ちょっと贅沢すぎる気もするね」
「そんな事ないだろ。ちゃんとベッドは3つしかないし」
「いや、そう言う意味じゃねーって」
そのすぐ後、同じ班の女性陣3名が部屋を訪れ、6人は夕食までの自由時間を満喫した。
主に遊雅、秋弥、亜璃沙の3人が交代でデュエルするのを、他の3人が観戦しているだけだったが、第2班の部屋は大いに盛り上がるのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
所変わって、ACSが借りている宿にて。
夕食も入浴も全てが終わり、消灯時間を迎えた生徒達は、各々の部屋で睡眠をとるか、もしくは雑談に興じていた。
ただし咲峰 燈輝だけはその限りではなく、バルコニーで1人静かに夜風に当たっている最中だった。
今の彼の思考は、そのほとんどが南雲 遊雅についてで埋め尽くされている。
圧倒的な力を持つ《聖霊獣騎 ガイアペライオ》を召喚されてなお、一瞬の怯みは見せた物の衰えなかった闘志。
そして、彼が召喚した青き竜、《フレスヴェルク・ドラゴン》。
あの竜と彼の不屈の心は、いずれ自分自身の覇道を阻む物になるだろうと、燈輝は確信していた。
燈輝の夢は、最強のデュエリストになる事。遊雅のそれと全く同じ物だった。
そんな目標を掲げる2人が、いずれどこかで全力でぶつかり合う事になるのは必然。
来週の練習試合に向けて、燈輝は改めて気合を入れなおす
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