第3章 新たなる好敵手
第13話 忍び寄る魔の手
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しかし、続く燈輝の言葉を聴いて、火凛も南雲 遊雅と言う男に興味を持ち始める事になる。
「奴とのデュエルは……モンスター達がとても楽しそうでな。今までそんな相手とデュエルした事なかったから」
「モンスター達が……楽しそう?」
「ああ。俺には精霊って物は見えないからはっきりとは分からないが……そんな雰囲気は感じた」
「……どうしてそんな」
「さぁな。けど、ひょっとしたら何かの才能があるかもしれないだろ。それにそれだけじゃない。たまたま俺のデッキが回ったから完封できただけで、デュエルの腕も中々だと思う」
「なるほど……確かに、私も興味が出て来たわ」
燈輝から話を聞いた火凛の顔も、微かに綻んでいた。
「この林間学校の間に、私もその人と会えないかな?」
「どうだろうな。向こうとこっちのスケジュールが同じとは限らないからな」
「そうだね……でもわざわざ森林公園に来といて、ちょっと森見てはいお終い、って事もなさそうじゃない?森を見て回ってれば、ひょっとしたらって事も」
「そうかもしれないな。まぁ、今回会えずとも、来週になれば嫌でも会えるんだ。急がずともな」
「やだよ、私だって早く会いたい!咲峰君ばっかずるいよ!」
「ず、ずるいと言われてもな……」
普段は冷静な彼でも、自分ではどうしようもない所で怒りを覚えられては、辟易せざるを得なかった。
◇◆◇◆◇◆◇
森の中で、翔竜高校第2班の面々は、とある理由で頭を捻っていた。
「なぁ、最後のチェックポイントのヒント、これどう言う意味だ?」
「うーん……『世界を見渡せても、足元の物を見落としては意味がない』か……」
「世界を見渡すって何?望遠鏡か何かを探せって事?」
「いや、違うだろ。まぁ、俺もよく分からんが」
「ひょっとしたら、高い所、って意味かもしれないわ。それなら、遠くまで見渡せるし」
「なるほど。すると足元の物を見落とすってのは……」
「背が高い物の根元に、次のチェックポイントがあるって事かな?」
「大樹だ!さっき見かけたでっけぇ樹の所行くぞ!」
導き出された結論に則って、6人は大木を求めて森を歩く。
何をしているかと言えば、端的に言うとウォークラリーと言うやつだ。
教員達が森の中に用意したチェックポイントを、ヒントを頼りに全て回り、広場までいち早く戻って来た班には褒美があると言うルールだった。
自由時間中の散策で大樹を見かけた6人は、数分歩いた後、無事にその場所に辿り着いた。
「おっ、あった!」
「やったぁ!早くスタンプ押そうよ!」
「おっし、この早さなら優勝間違いなしだぜ!」
「油断は禁物だよ!他の班もすぐに来るかもしれない!」
「そうと決まりゃあ急ぐぞ!全速前進だ!」
受け取った用紙にスタンプを押し終えた6人は、
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