マブラヴ
0893話
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まだ夏にも関わらず以前と同じようなトレンチコートと帽子を身につけていた。
「暑くないのか?」
「いえいえ、実はこう見えて最新素材なので熱が籠もりにくくてですね」
とてもそうは見えないヨレヨレのトレンチコートなのだが、実際に目の前に立つ人物、鎧衣が汗の1つも掻いていないところを見ると、意外と本当の事なのかもしれないな。
「まぁ、いい。それで例の件はどうなっている?」
「いやいや、先方は意外に強情ですね。どうしても自分達も噛みたいらしく、退く様子は一切ありません」
「……なるほど。まぁ、物が物だ。鉄原ハイヴと違って、確実にG元素があると予想されている以上は手を出さない訳にはいかないんだろう」
「ええ。……ですが、そこにもう1つ。かのアラスカにいる方々からもアプローチを受けておりまして」
アラスカ? となると、ソ連か?
「なんでそこでソ連が出てくる? アメリカならまだ分かる。このマブラヴ世界で最大の国力を持つ国なんだからな。その自負がある以上、どこで騒ぎを起こしたとしても顔を突っ込んで来るのは当然だろう。だが、奴等は……技術力のみは最盛期のものを維持しているとしても、国土の大半をBETAに奪われた以上、余計なことに首を突っ込む余裕は無いだろう? 例えそれがG元素であったとしてもだ」
「その、G元素がどうやら問題のようですね。かの国では何やら色々とあるらしく」
……また厄介な真似を。
最近はこっちにも殆ど手を出してきていなかったから油断していたな。
「どうにか出来そうか?」
「……6:4くらいで、でしょうか」
「どっちが6だ?」
その問い掛けに、鎧衣は帽子を片手で持ちながら残念そうに首を振る。
「止めきれない方ですな」
「なんならこっちで手を打つが? 大体イラクのハイヴを攻略するのにソ連が出てくる方がおかしいだろうし」
そう、今鎧衣からの報告を受けているのは、アンバールハイヴについてのシャドウミラーの攻略作戦に関してのものだ。
鉄原ハイヴに関しては、ハイヴの規模がフェイズ2でG元素に関しても期待出来ないという事で、シャドウミラーの戦力のみでの攻略を国連によって認可された。
だが、アンバールハイヴは違う。建設されてから10年以上が経過し、その規模もフェイズ5となっている。
そうなれば当然ハイヴの中にはG元素が貯蔵されている筈であり、G弾信者を含めてG元素を欲しているアメリカを始めとした各国がそれを黙って見ていられる筈もなく……それが原因で今回のような面倒くさい事態になっている訳だ。
アラビア半島防衛戦で俺達に借りがある中東連合やアフリカ連合にしても、G元素に関しては話が別らしいし。
それでも世論の問題もあって、この2つに関してはそれなりに妥協がしやすい。
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