マブラヴ
0893話
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と。それに、今は衛士になる事で精一杯ですし」
あたふたとしながら答える篁唯依。
見た目通りに生真面目な性格らしい。
この辺、恭子とは随分違うな。
「アクセルさん、おかわりどうですか?」
そう尋ねてくる篁栴納。
肉じゃがの入っている椀が空になっているのに気が付いたのだろう。
「……じゃあ、ちょっとだけ」
「あら、折角のお客さんなんですから、遠慮しないで下さいね」
「いや、俺の場合は味わうという意味ではこれで十分なんだよ。身体の中に入った食べ物は即座に完全に分解されて魔力に変換されているし。正直な話、食おうと思えばいつまででも食べていられるからな。折角の肉じゃがを俺だけで食ってしまうのは勿体ないだろ」
「あら、随分と便利な身体をお持ちですのね。世の女性が聞いたら嫉妬するのは間違いなさそうですけど」
「……確かに」
ポツリと呟いたのは恭子。
その目に浮かんでいるのは、やはり嫉妬の色か。
「何でお前がそんな目で見るんだよ。お前の体型ならその辺の心配はいらないだろ? 寧ろお前が羨ましがられると思うんだが」
この前の間引き時に見た、恭子のパイロットスーツ姿を思い出してそう呟く。
ボディラインをこれでもかとばかりに強調するそのパイロットスーツ姿は、日本人離れしたと言ってもいい恭子の体型を如実に現していた。
それこそ、男好きのする身体と言ってもいい程に。
「なっ、ア、ア、ア、ア……アクセルさん!?」
羞恥で頬を赤く染めながら取り乱す。
こういう恭子を見るのは珍しいな。
ふとそんな事を考えながら、箸休めにキュウリの漬け物を口に運ぶ。
ポリポリとした食感が気持ちいい。
「あらまぁ。あれだけお転婆だった恭子様にも……うふふ」
「ちょっ、栴納様!?」
「恭子様……おめでとうございます」
「唯依も、何でそんなお祝いの言葉なんか!?」
こうして見ると、この3人はつくづく仲がいいよな。
篁栴納の方も、とても16歳の子持ちとは思えないし。この世界には色々と若さを保つ秘訣があるのか、あるいは単純にこの世界の住人は年齢を感じさせないのか。
「……何か?」
「いや、何でも」
篁栴納の問い掛けに、何でも無いと首を横に振る。
年齢の事を考えていたのを察知したらしい。もしかして念動力者だったりしないだろうな。
ふとそんな事を思いつつ、その後もゆっくりと篁一家との夕食の時間を楽しむ。
……恭子が篁一家の一員のような状態だったのは、色々と面白い発見だったな。
「この時間にお帰りになるのですか? もしよろしければ泊まっていっても……」
篁家の屋敷の前で、篁栴納からそう告げられる。
だが、さすがにそういう訳にもいかない
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