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『曹徳の奮闘記』改訂版
第六十話
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「………………」

 夏蓮は突撃してくる俺に左手(まぁ手は無いが)で防御する。

ズシュゥッ!!

 刀の切っ先が夏蓮の左腕に突き刺さった瞬間、俺は直ぐに横なぎの攻撃に移る。

ズシュゥッ!!

ブシュウゥッ!!

 俺は夏蓮の左肩付近までに斬りつける。

 斬りつけられた箇所から赤い液体が噴き出す。

「………どうした夏蓮? そのまま動かないで死ぬのか?」

 出来ればこのまま降参してくれたら嬉しいんだがな………。

「………見切ったわ長門」

「何?」

 夏蓮は構える。

「………見切ったかどうかは知らんがかわさないと意味がないぞ夏蓮。反撃出来ない勝利など絶無だッ!!」

「そんなのは委細承知よッ!!」

 俺は再び牙突で攻撃するが、その瞬間、夏蓮が消えた。

「何ッ!?」

「貴方のその技の弱点は―――」

 その時、俺の視界の右側から急に夏蓮が現れた。

「それは照準と突き手の反動過重を兼ねて前方に突き出す右腕よッ!!」

 ………やっぱ、これに気付いてたな。

「その右腕の外側に生じる一瞬の死角に滑り込めば、如何に足掻こうと貴方のその技は無効よッ!!」

 夏蓮はそのまま俺の右肩付近に突き刺す。

ズシュゥッ!!

「チィッ!!」

 俺は直ぐさま牙突に構え直して夏蓮に突っ込んだ。






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