番外19話『スカイピア』
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
も俺も!」
ウソップとハントだ。
真っ先に綿のような雲へと飛び乗ったウソップの後ろで、ハントがチョッパーへと手を伸ばして言う。
「ほら、チョッパー! お前も触りたいんだろ!?」
「お、おお!」
チョッパーの手……というか蹄を握って、ハントとチョッパーもまたその綿のような雲へと飛び込む。
「は〜、いい気持ちだ……なんかあたたけぇしこのまま寝ちまいたい、干したての布団より気持ちいい」
ルフィがすさまじくリラックスした声で呟き、ただし男が4人も揃えばそういうリラックスモードは長くは続かない。隣で「あひゃひゃひゃひゃ」とウソップやチョッパー、ハントが笑い転げながらも飛び跳ねて、ルフィの遊び心を刺激する。
「おい、お前らだけでずりぃぞ!」
とまぁ、ルフィもまた当然のように飛び跳ねながらまた遊びだす。
空の海というあまりにも未知の世界で興奮していることもあるのだろうか、異様なほどに高いテンションで笑い転げる彼ら4人だったがフとハントが漏らした声でその動きを止めた。
「……なぁ、これ……食ったらうまいのかな」
「……」
「……」
「……」
ピタリと笑い声を止まらせて、真剣な顔で自分たちが立つ雲を見つめる。
ごくりとつばを飲み込んで、それからお互いの顔をけん制するかのようににらみ合ったかと思えば我先にと各自の大口を広げて足元の雲へとかぶりついた。
「……ん〜、はひひへはい」
「おはひふ」
4人が騒いで飛び跳ねてもびくともしない雲だけあって、弾力性に富んでいてなかなかに噛み切ることが出来ないらしい。まずはチョッパーとウソップがそれを口に入れることから脱落した。
残るは二人。
ルフィとハント。
「……」
「……」
どうにか雲を噛み切って口に入れることに成功したらしい二人が何度も咀嚼を重ねながら、だがどこか不思議そうな顔でお互いの顔を見つめあう。
「どんな味だ?」
「甘いか?」
ウソップとチョッパーの問い。せめてそれの味を聴覚で味わおうというのだろうが、残念ながらルフィとハントの反応は芳しくなかった。
「んふー、あひひへぇ」
「んん、ほうはは」
ほとんど何を言っているかわからないが、基本的に反応が素直な二人がなんの反応もしないということはおそらくは美味しくもまずくもないのだろう。もしかすれば無味なのかもしれない。
いつまでもなんともいえない表情でモゴモゴと口を動かしていた二人だったが、もう諦めようとそれを呑みこもうとした時、ルフィとハントの二人に変化が起きた。
「!?」
何かに弾かれたように表情を強張らせて、お互いの顔を見合わせる。それから慌てて空の海へと向かう。
「なんだ?」
「なんだなんだ?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ