第011話 灼炎のゼロ
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ゥウッ!!
鋼の刀身は赤く染まり、ついに発火を始めた。
紅い炎がユラユラと禍々しく揺れていた。
「今は‥‥‥‥‥続きだ」
「望むところじゃよ」
ガキイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィイインッッ!!!
二つの刃が激突し、再び施設内を大きく揺らした。
**********
「本当にあれでいいの?」
ハトは目の前にある鉄塊を見ながら訊いた。
「えぇ、これだけあれば十分よ。
ありがと、セキレイちゃん」
セキレイは息を切らしたまま右腕を上げた。
彼はようやく頑丈な壁を破壊することに成功したようだった。
「手がすごい痛いんですけど‥‥‥‥‥」
だが、やっぱり拳も壊れてしまったようだ。
変身を戻すと更にズタズタな状態になっていた。
「ごめんねセキレイお兄ちゃん。無理させて」
ハトは少ししょんぼりした顔で言った。
それを見たセキレイは急いで笑顔を作った。
「ま、まぁ、おばちゃんがいるからすぐに治るさ」
「そ。今日は私は回復役だからね」
カツコが会話に入って来てから言った。
そして、拳付近に〔癒しの棘環〕を再び展開した。
「今は緊急だから全開で行くわよ!!」
ピカアアアァァァァァァァァアン!!!
太陽を直視しているかのような強烈な光に
セキレイは両目を強く閉じた。
「眩しすぎだろこれはッ!」
彼は目を強く閉じたまま叫んだ。
ハトもあまりの眩しさに目を両手で押さえていた。
「あなたの力がまだまだ必要なのよ!!」
全開の″治療光線″は少し熱く感じられた。
だが、同時にそのパワーの程をセキレイはすぐに知ることが出来た。
「お、手の痛みがどんどん引いてく‥‥‥‥‥」
細胞に光子がどんどん付着して、手の筋肉、真皮、表皮と
早送りで再生している様子を見ているようだった。
(もちろん、二人には眩しすぎて見えないが)
この高出力も彼女が″植物人″ゆえのものだろうか。
「‥‥‥‥‥ふぅ、はい!出来たわ」
セキレイの拳はいつも以上に肌がつるつるに見えた。
これも彼女の″超技術″の効き目だろうか。
クラッ‥‥‥
「あら‥‥?」
カツコはバランスを崩し、そのまま床に倒れかけた。
しかし、セキレイが急いで腕を伸ばして彼女を受け止めた。
そのまま倒れていたら、頭を打っていたかもしれない。
「ごめんなさい‥‥‥ちょっと疲れちゃったみたい」
彼女は笑顔を見せてはいるが明らかに疲労していた。
呼吸が少し荒くなっていて、顔色も優れなかった。
「おばちゃんは休んでなよ。ここか
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