第011話 灼炎のゼロ
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こに走って行った。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥俺は?」
ジョンは廊下の真ん中で立ち尽くしていた。
しばらく待機ということなのだろうか。
「最近、俺の扱い雑だな」
ジョンは地面を見ながらぼやいた。
**********
ガキガキッ! ガキィンッ!
上から振り下ろした剣を弾き返して、すかさず反撃。
ガガガッ!
しかし、それも受けられて互いにつばぜり合いに。
ガキャァァンッ!!
そして、二人とも剣を弾いて後ろに下がった。
二つの刃が交わるたびに衝撃が広がり
壁には少しずつ亀裂が入り始めていた。
莫大なエネルギーのぶつかり合いゆえの現象だった。
「ハァ、ハァ、ハァ‥‥‥‥‥」
「熱量はほぼ互角、か‥‥‥‥」
二人は互いに向き合い、構えたまま息を整えていた。
「ハァ‥‥‥‥ハァ‥‥‥‥オレの″灼炎生成″と
あなたの″灼蓮厄災″とでは決着がつかないようだ」
二人の炎を操る能力は、出力、温度、共に拮抗していた。
こうなって問われる最後の要素は“剣技”なのだが
それについてもほぼ互角の状態が続いていた。
老人と青年の戦いとはとても思えないものだった。
「ふぅ、やれやれ、行かせない予定だったが
こんなにも移動させられるとはのぅ」
先程まで交戦していた場所は、地下2階のほぼ中心部分だったが
廊下を伝って移動していき、ついにはほぼ端にまで到達してしまった。
「彼らはきっとこの先にいるでしょうね。
そうなれば、この戦いは終わりだ。
おれは彼らの処分を最優先にさせてもらう」
「ワシがそんなことを許すと思うか?」
二人は再び会いまみえた。
その時、カイエンはゼロの後ろにいる影を見た。
『あなた!』
カツコが口をパクパクしているが、カイエンは読唇術の心得があるため
彼女が今、後ろで何を言っているのかが理解できた。
『あともう少しだけ、彼をこっちにおびき寄せて!』
カイエンはうなずくとゼロにばれてしまうので
剣も持つ手の親指を左右に素早く動かした。
昔に合意のサインとして、よく使っていたものである。
『頼んだわ!』
カツコはそれを理解したらしくすぐに去って行った。
ゼロは彼女には気付かなかったようだ。
「どこを見ている?」
彼の問いにカイエンは答えた。
「希望の光を‥‥‥‥‥‥眺めとった」
意味深な一言にゼロは少し眉をひそめた。
だが、すぐ剣に熱を加え始めたことから
あまり深く受け取らないことに決めたのだろう。
その点はカイエンにとっては好都合だった。
ボウウゥゥゥウゥ
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