第011話 灼炎のゼロ
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じゃ!
ワシもたまにああいうことをするから分かる!!」
カイエンがその後ろに立って言った。
「ああいうことって敵もケッコー物騒なことやるなぁ!」
セキレイは吹き飛んでいる壁を見ながら叫んだ。
そして、そこから人影が現れた。
煙にうまく隠れて見えないが、確かにそこに立っていた。
「だ、誰だッ!?」
人影はしばらく動かなかったが、煙が少しずつ晴れていき
立っていた者の姿がついに露わになった。
そこには一人の男が長剣を携えて立っていた。
「お、お前は‥‥‥‥‥‥ッ!!」
カイエンはそこに立つ者の顔を見て叫んだ。
明らかに普段と様子が違っていた。
「オレは‥‥‥‥‥‥‥‥‥ゼロだ」
その男、ゼロはそう言うと長剣をゆっくりと持ち上げた。
刀身が少しずつ赤くなると剣先から発火し始めた。
ボボボボボボボッ‥‥‥‥‥
炎は全員の瞳の中に飛び込むかのように燃えさかっていた。
ブンッ!
ゼロが剣を横に振ると、刀身の炎が鎮火した。
「貴様がここにいたとはな‥‥‥‥‥‥
あの時の恨み、晴らさせてもらうッ!!」
シャキンッ!
カイエンは懐から剣を取り出し、引き抜いた。
赫い刀身がゼロの命を断つと言うかのように輝きを発した。
「無駄だ‥‥‥‥あなたでは勝てない」
その言葉と同時に二人の剣がぶつかった。
ガキイイイイイィィィィィィィィィィィィィィイイイイイインッ!!
凄まじい衝撃に全員は体勢を崩した。
「こ、この剣圧‥‥‥‥‥やはり彼が‥‥‥‥‥‥‥」
カツコも何かを理解したらしく、唇を噛みしめた。
口からは鮮血が顎を伝い、ポタポタと床に流れ落ちた。
「彼は一体何者なんですか?」
ジョンは冷静にカツコに訊いた。
「そうだ!一体誰なんだよアイツはッ!!」
セキレイは臨戦態勢に入ったまま
カツコに向かって叫んだ。
「彼は‥‥‥‥‥私たちの大切な人を‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥殺したの」
彼女の目には涙が滲んでいた。
過去の悲しみが甦って来ただろうか。
「カイエンッ!おれも一緒に戦うぞッ!!」
「ならんッ!お前はサバキとの戦いで
すでに体力を消耗している!今すぐに逃げろッ!!」
セキレイの言葉に、カイエンはつばぜり合いの状態のまま叫んだ。
そして、一言こう付け加えた。
「ワシはこれ以上コイツに奪われたくないんだ!!
カツコと一緒に逃げてくれェッ!!」
そう言ってゼロの剣を弾き、拮抗した状態を解くと
ゼロに向かって剣を振り下ろした。
ガキイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィイイイイインッッ!!
再び衝撃波が巻き起こった。
「
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