番外18話『空島へ』
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ガー。逸れちまったらそれも巡り合わせだろう!? ゼハハハハハ!」
「その通り。運命とは常に人間の存在価値を計る……ゲフ、ああっ」
マーシャル・D・ティーチたち、黒ひげ一味。
彼らが麦わら一味へと狙いを定めていた。
夜が明け、朝。
メリー号の修繕と強化を終え、ルフィも少し遅れたものの見事に金塊を取り戻して帰ってきたため、麦わら一味は3時間ほど前に無事に出航を果すことに成功していた。
空島へ行くため乗らなければならない海流、ノックアップストリーム。それに乗るため、メリー号は既にその予兆とされる大渦へと身を任せている。
「ギャオオオオオオオ゛ァアアア! ……ギゴ……プギィアアアア…………」
巨大な海王類が大渦に呑まれて海面下へと沈みゆく。
海王類でさえそうなるのならば、もしも自分たちが海に落ちることがあればそれこそひとたまりもない。
船上でそれを眺めていたナミとウソップ、チョッパーが声を失って肩を震わせる。
「も! 勘弁じでぐれぇ! 恐ぇっつうんだよ! がえらせてくれゴノヤロー! 即死じゃねぇかごんなもん!」
「あ゛あああぁぁぁぁーー!」
「こんな大渦の話なんて聞いてないわよ! サギよサギーーーー!」
「うわああああ夜になったああああ渦にどんどん吸い寄せられるぞおおおおお! 引き返そうルフィ! 今ならまだ間に合う、見りゃわかるだろ! この渦だけで十分死んじまうんだよ! 空島なんて夢のまた夢だ!」
「そうよ、ルフィ! やっぱり私も無理だと思うわ!」
恐怖におびえてルフィに諦めようと言うウソップの言葉に追従して、ナミもまた頷く。ただ、ルフィがそれらの言葉を受けて、単純に頷くはずがない。
「夢のまた夢の島! こんな大冒険逃したら一生後悔すんぞ!」
ウソップとナミの思惑とは全く正反対の方向に背中を押されてたルフィはただただ楽しそうに笑う。その言葉でチョッパーは笑顔を見せるが、残念ながらナミとウソップはそこまで簡単な性格はしていない。
――た……楽しそう。
半泣きというかもう涙を流してしまっているウソップとナミ。
その二人を見ていたハントが「ナミ」とナミの肩をたたく。
「……なによ?」
肩を落として、ほとんど幽霊のように薄い反応で振り向いたナミの手を強引に握りしめて、ハントが笑う。
「何があっても俺はこの手を離さない。俺が絶対にナミを守る。例えメリー号が急に壊れても、空島にメリー号が乗れなくて海面に叩き付けられることになってもナミは絶対に安全だから。それを俺が保証する……だから楽しもうぜ! もし成功したらナミと一緒に夢みたいな島に行けるんだ、こんなに楽しいことはないって!」
絶対の自信と、期待と、そしてそれ以上にナミへの好き
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ