番外18話『空島へ』
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「ジョッ!?」
折れて頭上から倒れこんできた木の幹から逃れようと慌てて翼をはためかせるサウスバード。どうにそれを避けて無事に浮上することに成功したが、ホッと一息をつくことはできなかった。
「捕まえた! っと」
その身は、既にハントの腕の中に。
サウスバードを捕えることに成功し空中から降りてきたハントへと、まずはチョッパーが目を輝かせていた。先ほどまでいた蜂がもう解散してしまっているのは森の動物や虫たちに指令を下せるサウスバードの嘴がハントの手によってしっかりと閉ざされてしまっているからだろうか。
「ハントってすごいんだな!」
「ふふん! ま、一応食糧班だし、こういうのは得意なほうだからな」
少しだけ照れた顔をしながら、だがチョッパーの言葉に鼻高くしてハントは笑って答える。
「へー」
激しく頷いて感心して見せているチョッパーの横で、ルフィが不思議そうに問いを。
「さっき何投げたんだ?」
「あぁ、道中で拾ってた丁度いいサイズの石」
「石?」
「相手が鳥なら遠いところにでも手が届くようにしとかないとって思ってさ……ま、狩りの経験上? 子供のころは手製の弓矢がないと森で狩りなんて絶対にできなかったけど、さすがに今ぐらいになると案外なんとかなるもんだよな」
少しだけ昔のことを思い出しながら、呟くハント。
実は彼の腕の中にいるサウスバードは今にも逃げ出そうと先ほどからずっとジタバタと暴れようとしているのだが、ハントが一度とらえた動物を離すなどあるはずもない。さらにサウスバードは発する声によって森の動物や虫たちに指令をくだすことができることのだが、それをハントは知ってか知らずか嘴を抑え込むようにして捕えているため、サウスバードは声を発することもできない。
「……ジヨッ……」
ついには諦めてジタバタすることをやめたその鳥を見ながら、ハントは満足そうに笑う。
「空島の案内、よろしく」
彼の笑顔にあるものは、空島へ期待。
ただそれだけのようだった。
「……ジョッ」
サウスバードの表情がどこか柔らかくなったように見えたのは、見間違え……ではないのかもしれない。
麦わら一味がサウスバードを捕まえて意気揚々と、現在自分たちの船、メリー号を空島へと行けるように改造してくれているであろうモンブラン・クリケットたちのところに戻った時、彼らの目の前に映ったのは予想されたものと違っていた。
ボロボロのモンブラン・クリケット、マシラ、ショウジョウ。真っ二つにされたメリー号。奪われた――モンブラン・クリケットが体をボロボロにしながらも見つけていた――金塊。そして、残された海賊ベラミーのマーク。
昼間にルフィ、ゾロ、ナミの3人で情報収集し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ