番外17話『デリカシー』
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付ける。
「俺とナミさんが二人で買い物行ったら、てめぇはどう思う」
「ナミとサンジが?」
――なんでいきなりそんなことを。
グチグチと漏らしながらもその図を想像したのか、数秒ほどの後、顔をしかめた。
「……嫌、だなぁ」
「てめぇはそれと同じことを今したんだよ!」
噛みつくように吐き出されたサンジの言葉に、だがハントはまだしっくりと来ないようで首を傾げる。
「……?」
何度か首をひねり、ロビンへと顔を向ける。
「え、俺ロビンのこと仲間としてしか見てないし……ロビンだって俺のことを男としては――」
「――ええ、見てないわね。けど、関係ないと思うわよ?」
「……関係ない?」
「例えそういうつもりじゃなかったとしても、そういうのを嫌という女性は多いと思うわ。それに私はまだここに入りたてだし、航海士さんからすれば知らない女性といるようなものよ」
「……知らない……女性と」
「改めて聞いてやる。ナミさんがてめぇのよく知らない男と一緒にどっかに行って、帰ってきたらどう思う。しかも自分が嫌な思いをしてる時にナミさんはそのてめぇのよく知らない男と楽しかったっていう話をしようとしてきたら……てめぇはどう思う」
「……っ!」
そこで、やっとハントが体を震わせた。
考えなしの自分がナミを傷つけたのだ、という事実へとつながり、ハントが慌ててナミの船室へと駆けていく。
「……ったく、世話の焼ける」
サンジが面倒そうに呟いて、煙草に火をつける。
「少し意外だったかしら、コックさん?」
「意外って……何がだい、ロビンちゃん」
小首を傾げるロビンへと、サンジが柔らかい笑みを浮かべて、同じように小首を傾げながら聞き返した。
「コックさんは航海士さんのことを好きだと思っていたから」
「もちろん、ナミさんも、それにロビンちゃんも大好きさ!」
「あら、ありがとう」
感情のこもっていないお礼に対してはサンジは反応を見せず「けど、ま――」と言葉をつづける。
「――ナミさんの笑顔を作るのはあのクソ甚平野郎が一番うまいのさ」
ロビンに、男には滅多に向けないであろう快活な笑顔で呟く。ロビンにとって眩しさを感じさせるようなその言葉に、彼女は「そう」と穏やかな笑みで頷いたのだった。
「ま、とりあえずハントとナミは大丈夫だろ」
「うし、じゃあ俺たちはこの地図のやつんとこに行くか」
ただ傍観していたウソップとルフィが締めくくり、メリー号がまた動き出す。さすがに同じ島に位置する場所に移動するだけ、という時にまでナミの力が必要というわけではないらしく、船は港から離れようとしていた。
「ちょっと……やりすぎたちゃったかな」
自分の船室で、
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