番外17話『デリカシー』
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にはまさかのロビンに問いかけるという、しかもロビンに聞かれても困るとしかいいようのない質問を。
「……え、ええ」
ペースを乱されて、どうにか表面上を繕って頷くロビンに、ハントはホッと一息。
「おし、行こう! さっさと空島に行きたいんだよ、俺は」
元気よく大股に歩き出すハントの背中をロビンがジッと見つめる。
――今なら。
そういう思いがフと浮かんだ彼女だったが、足が動かない。
まだ仲間になって、いやきっと正確には仲間にすらなってもいないという彼女に、ハントは全く疑いの気持ちすら持たずに行動している。その警戒心の無さが初めての経験という形でロビンの足を縛っているのかもしれない。
「……おーい、早く早く!」
子供のようにせかすハントに、ロビンはハントが行動を初めて本当の笑みを浮かべて「ええ」と答える。
その足取りは最初よりも少しだけ軽い。
「ねぇ、漁師さん」
ハントへと追いつき、共に歩き出した二人。
いくつか道を曲がったところで、ロビンがハントに質問を投げかけた。
「……漁師って俺のことか?」
「もちろん」
ロビンが仲間になった時に軽い歓迎会ということで大きい魚をハントが獲ってきたことがあったことからロビンにとってハントは漁師という認定になったらしい。
「……いや、うん……まあいいけど」
少しだけ不服そうに、だが間違いではないので ハントも若干嫌そうな顔をしつつも素直に頷く。
「さっき航海士さんと恋人みたいなことを言ってたと思うのだけれど」
「ん!? ま、まぁ……そうなんだよ」
恥ずかしそうに、嬉しそうに、それでいて自慢げに。空島で高揚している時の表情とはまた別の感情を満載にした表情で顔をふやけさせるハントへと、ロビンは表情を変えずに首を傾げる。
「航海士さん、怒るんじゃないかしら?」
「……怒る?」
ロビンの言葉の意味がわからなかったらしく、不思議そうにするハント。本当にわかっていないらしいハントに、ロビンはまずナミへと同情のため息を一つ落として、それから若干に真剣な表情になってハントへと指を突きつける。
「私と漁師さんにその気がなくても、これはきっと航海士さんからしたら――」
「――あった! ロビンあった! 酒場だ!」
ロビンにとってこれは真面目な忠告だったのだが、残念ながらハントの耳に届く前に、ハントにとって現在もっとも興味があるそれがハントの目に入ってしまった。ロビンの言葉を最後まで聞くまでにハントは我先にと駆けて行ってしまった。
「先に入るぞ!」
そのまま酒場の中に入ってしまうハントに対して「大丈夫かしら」
本当に心配しているのか疑わしくなるくらいに、ロビンは表情を変えずに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ