番外17話『デリカシー』
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に足を止めて首を傾げたハントへと、ロビンが問いを重ねる。
「どうして私について来たのかしら?」
「……は?」
「やっぱり監視するためかしら?」
ロビンはハントが自分を仲間に入れる時に『俺はもともとロビンが俺たちの仲間になることに反対ではない』という会話をゾロとしていたことを聞いていた。だからこそ、これをあえて問う。
これを問うことでハントに対して自分を疑っているという罪悪感をもたせ、それによってハント自身から『じゃあ俺は先に帰る』という行動をさせる。それがロビンの狙いだ。
麦わら一味の仲間になった彼女だが、彼女の育ってきた境遇故に心の底から彼らを仲間として麦わらの船にいる、というわけではない。
――やっぱり私には単独行動の方が向いているわね。
どこか自嘲的な呟きを呑みこみ、罪悪感を煽るためにじっとハントの目を見つめる。
別にロビンはハントのことを嫌っていない。ただ単独で動きたいと思っているだけ。単独で動いた方が効率が良いと思っているだけの話だ。
とにかく、これでハントは船に戻るだろう。そういうつもりでいたロビンだったが、残念なことにハントはロビンの想定より斜め上……正確には斜め下という方が正しいかもしれないような返答を。
「監視? ……え? 誰を? あぁ……えっと、ロビンを?」
「……え?」
ロビンの表情が、おそらくはなかなか見ることが出来ないであろう、呆気にとられたそれになる。
「こっそりと抜け出されたらさ、なんか面白いことあるのかなとか思うだろ? ……ナミに声かけようと思ったんだけど、なんかこの町のことビビってそうだったしあんまり俺の言葉聞く余裕もなさそうだったから俺もこっそりと着いてきたんだけど」
――俺ってロビンを監視してるのか?
「……」
小さな言葉を紡ぎ、逆に尋ねてみせるハントの言葉に、ロビンが黙り込んだ。
罪悪感を感じさせるつもりだったが、どうやらハントには心の底から1ミリたりとも監視というつもりはなかったらしい。少しでも監視ということに心当たりがあったのなら既にロビンが思い描いた通りの展開になっているはずだからだ。
ハントは罪悪感を覚えるどころか、ひたすらに首を傾げて「えっと……アレ? もしかして仲間でも性別が違ったら一緒に歩くと監視とかそういう扱いになったりするのか? ……え、マジで? というか監視って……ストーカー的な扱い? いやいやそんなつもりじゃなくてさ……というか俺恋人いるから! ストーカーするならナミのこと……いやストーカーじゃないからね、俺! ナミにだってそんなストーカーみたいなことしないからね!?」
ロビンも想定していなかった訳の分からない結論へと着地をして見せた。
「……しないよな?」
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