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僕の周りには変わり種が多い
横浜騒乱編
第21話 特殊鑑別所
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ンをサーチした。

プシオンの強さに対して気配を紛らわせている。このプシオンと気配はリユウカンフウ。

リユウカンフウを相手に、普通の円明流合気術……あくまで関節を決めるまでのアプローチとしての投げや当身では対抗できないのは、師匠からの忠告もある。まあ、これだけなら達也にさえ負けるから必然なんだけど。土曜日の朝の達也との練習は、硬気功と『纏衣の逃げ水』を使ってなんとか引き分けに持ち込んでいるのがせいいっぱい。
しかし、このメンバーで対抗できるとすれば、達也がブランシュの時に使った魔法だろうが、人目がある中では使わないだろう。達也自身とそれが使えると知っている僕が残るまでは。

なので、七草先輩と渡辺先輩に気絶してもらうのがてっとりばやいのだけど、僕がおこなったのは別なこと。中央階段を昇ってくる感じのプシオンにたいして、僕は気配を周囲にとけこまして縮地をおこない、中央階段で火弾を連発したが、ここですでに鋼気功が発動していた。気配を周囲にとけこませた瞬間に、鋼気功を発動させたみたいなので、奇襲はきかなかった。火弾は現代魔法の特徴である、相手の防御力を突破できなければ、効果が発揮できないという欠点がもろにでたものだ。

すばやく、10mほどもどり、火圏(かけん)の結界を発動して通路を封鎖し、さらに炎衣(えんい)の術で、僕の身体に炎を衣服のようにまとわせる。鋼気功の魔法に対抗できる接近戦用の霊能力だ。

「何をやっている。もどってくるんだー」

その渡辺先輩の声は結界があるから聞こえないふりをして、左半身を前にして正中線を隠す古流の構え。静の状態の軽気功のままでいたところ、リユウカンフウが階段を上りきって、正面に立つ。まだ、あなどっている証拠だろう。格下だと思ってはいても、油断しているわけではなかろうが、火圏の結界の範囲を広げて、リユウカンフウまでつつみこんだ。

火圏の結界は気圏(きけん)の技術を、魔法に発展させたバリエーションのひとつ。気圏の普通の使い方は、薄い気を周囲に広げて、その範囲に入ってきたのを感知する技術のひとつだ。だが、今回は逆に気を薄くはるのではなく、気を最大限に内部へ充満させて、本体の気が相手にわからなくなるという方法を使っている。つまり気配を察知して戦うのに、気配を消すというのとは逆の方法だ。火圏は、それにサイオンを充満させて、さらにプシオンを炎として見せる、熱を発さない火の霊能力との混合技。

この火圏の特徴として、プシオンを有しながら、肉体を持つ相手はこの結界から普通は通過できない。通過できるのは、僕か、僕が許可したものに、力ずくで抜け出せる妖魔のたぐいだ。しかし、力ずくで脱出できる相手となると、この場にとどまっているよりは、とっとと逃げ出さないといけない相手だ。

リユウカンフウをこの結界に取り込んだ
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