四十四話:俺に従え
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ず、神の居ない今となっては奇跡も起こらない。
敬虔な信者なんざほとんどいねえんだ。金で操作してやれば簡単にこっちに手のひらを反して来るようなカス共ばかりだ。そんなカス共でも上の地位についているから教会は切り捨てられない。故に俺達から金を受け取り続けるしかない。神が望んだ信仰なんざとうの昔に死んでいる、それでも信仰を、力を維持するために天界共は今の状況を、指を咥えて見ることしか出来ねえ。ざまあねえな。
それで、今回はそんな結びつきの強い教会も負け犬どもの標的に入っているという事だ。
そして会談に出席する予定である、俺本人にまで喧嘩を売ってきているというわけだ。どうするかなんざ考えるまでもねえ。俺は立ち上がり手の平から炎を出して資料を燃やす。
「イタリアからヴァリアーを呼べ……負け犬どもを皆殺しにする」
「そう言うと思ったぜえ! 久しぶりに暴れられるぜえええっ!」
「にゅーん! いっぱい殺っちゃうもんねー!」
俺の言葉に沸き立つ二人、こいつらにはしっかりと働いて貰わねえとな。動くなら負け犬どもが仕掛けてきてからだ。今の負け犬どもはまだ犯罪者じゃねえ、ただ集まっているだけだ。そんな状態の奴らを潰すのはつまらねえ。負け犬どもが意気揚々と攻め込んできたところで圧倒的な力の差を見せつけて絶望を味あわせてから殺してやる。
そう考えると愉快さで顔がニヤリと歪む。久しぶりにストレス発散の相手が見つかりそうだぜ。
「………?おぉい、ボス」
何やらかなり聞きづらそうな様子で口を開くカスザメ。ブルーベルも若干気まずそうな顔をして俺を見つめてきている。……何で、今の今まで気を使っていたのにここになって聞いてくんだよ、くそが。
「…………何だ?」
「何で、てめえは女になってるうえに変な耳と尻尾まで生えてんだよおおおっ!?」
「ブルーベルは軍服を着ているのが気になるんだけど……」
そうだ、俺は未だに女の姿のままで戻れていない、しかもライオン耳と尻尾もずっと生えたままだ。おまけにうちの女性陣が渡してくるコスプレ衣装は未だにとどまることを知らない。今現在、俺が来ているのは軍服だ、そこにさらに馬用の鞭を持たされている。一応雷の炎を纏わせれば武器として仕えるからまだいいんだが……というか、こいつらは俺が女になっていても俺だという事がなんで分かったんだ? そう思いカスザメに聞いてみる。
「おい、カスザメ。なんで、てめえは俺だと分かったんだ?」
「はっ! 俺がクソボスを見間違えるわけねえだろ。俺達のボスはお前しかいねえんだよ」
「ブルーベルも同じだよー!」
こちらを見てニヤリと笑うカスザメ、ブルーベルはピョンピョンと飛び跳ねながら挙手する。こいつら……分かっているじゃね
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