四十四話:俺に従え
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伸べられた手を掴む勇気があるのかと……そして数分考えた後に決意を固める。
「僕…頑張ってみます」
ギャスパーは手を握り返すことを決めた。
三勢力会談、その目的と情報が書かれた資料に俺は目を通す。目の前にはその資料を持ってきたカスザメとブルーベルが、俺がどんな反応を見せるかを興味深そうに見つめている。
今度、駒王学園行われる、三勢力のトップ全員が集まる会議。表向きの議題としてはこの前会ったコカビエルが起こした聖剣強奪についての説明と言ったところか。
確かにあの件においては悪魔と堕天使、そして教会勢力が関わった、下手すれば戦争が起こりかねねえ状況だったから集まって話し合いをしようというのも頷ける。だが、全勢力のトップが出張って来る必要はねえ。今まで一度たりとも接触しようとしてこなかったカス共がそうまでして接触を図るのはもっとでけえ理由があるからだ。そうだ、裏向きの議題は―――神の死についてだ。
正直って俺にとっては消すべき対象が一人減った程度の感覚でしかないが、カス共にとってはそうはいかないらしい。
俺はそこで軽く息を吐き、ミランダに淹れさせた紅茶を飲む。芳醇な香りを楽しみつつ、俺はもう一つの資料を手に取る。その資料には最近裏側でこそこそと勢力を広げていっているテロリストについて載っていた。
そのカス共の名前は―――『禍の団』
構成としては今の所、一番勢力のあるグループは負け犬どもの集まりである旧魔王派らしいな。よくもまあ、負け犬どもが喧嘩を売ってこようなんざ考えたもんだ。カスはカスらしく従ってりゃいいものを。これだからカスは嫌いなんだ。そしてこれが三勢力会議の資料と同時に渡されたってことは十中八九、会談中に攻撃を仕掛けてくるんだろうな。
だからこそ、カスザメ共は俺にこれを渡しに来たんだろう。
「おいボス、それでどうするつもりだあ?」
「ブルーベルはどっちでもいいよ」
俺にどうするのかと聞いて来るカスザメとブルーベル。何を聞きたいかなんざ聞かなくても分かる。カス共をカッ消すかどうかだ。三勢力会談については俺も呼ばれている。コカビエルを直接殺った、張本人として呼ばれてるみてえだが大方の理由は神の死についての口封じだろう。
信徒でねえ俺を破門することは出来ねえ、さらに言えば、俺に対してぞんざいな扱いをすればボンゴレに喧嘩を売ったとみなし、全面戦争も辞さない。戦争をしかけないにしても今まで払い続けていた莫大な“寄付金”を無くすぐらいはしてやる。
教会の弱点は最も信仰を広めているがゆえに表の仕事をおざなりにできないことだ。人間が関わっている以上は必ず金が絡む、神に仕えると言っても信仰で腹は膨れねえ。神が生きていた時ならいざ知ら
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