第一話 『任務開始』
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のなかでも、攻撃型のエネルギー波を検出した人物をESPと呼ぶのだ。しかし、初めて超能力が科学的に証明されてから、30年以上が経過しているが、クラスA以上の人材は今まで確認されていなかった。つまり世界初の高位能力者と言うことになる。
「その情報、確かなんですか?」
「間違いはないだろう。CIAもMI6も優秀だ」
そう答える支部長の目は、いつになく真剣だ。
「そう……ですか。それで、そのESPと任務とがどう関係してるんです?まさか世界的な驚異になりかねないから暗殺しろとでも?」
冗談混じりでそう言うと、まるで馬鹿にしたかように鼻で笑い、私の質問を弾き返した。
「まさか。我々は極秘暗殺部隊ではないからね。その逆さ。君には、ESPの護衛任務についてもらいたい」
「……護衛ですか」
なぜ今沈黙の時間ができたかと言うと、この男の態度があまりにムカつくため、銃を抜いて気持ちよくしてやろうかと言う考えが浮かんだからだ。だが何とか押さえ込むことに成功し、言葉を返したのだ。
「うん。まあ、君と同じ考え方をするやからもいると言うことさ」
「暗殺を企てている組織があると?」
「そのとうりだ。これは、アメリカ政府からの直接の以来でね。最高の人材を送ってくれと言われているんだ。だから君を選んだ」
おそらくは、なんちゃら教の信者やどこかの過激国家が暗殺部隊を送り込むつもりなのだろう。はた迷惑な話だ。
「と言うわけで君には、蒼海学園に潜入してもらう」
「……はあ!?…な、何で私が……裏で極秘に護衛すればいいじゃないですか!」
あまりに予想外すぎて、声をあげてしまった。なぜなら幼少のときから学校に通ったことなど無かったのだ。それに今更そんな所にいっても仕方ないし、恥ずかしいし。
「たのむよ。君はESPと同じ17歳だから、とても都合がいいんだ」
「いや、だからって私が潜入しなくても……」
「常に近くにいたほうが護衛もしやすいだろ?」
「でも私は……」
「君の任務成功率は98.7%だ。君なら確実にやり遂げられる」
「で、でも……」
「ならこう言おう。やってくれ。これは命令だ」
「……り、了解しました……」
とんだことになっちゃったな〜と、私は涙目になりながら支部長室を後にした。最後の最後まで自分のルートを貫き通した支部長。今思えば、なんか妙だった気がする。いつもなら無理だと言えば強制はしないのだが、今日はまるで、私に押し付けるかのように任務を受諾させた。まあ、そんなときもあるのだろうと、無理やり自分を納得させた。
エントランスに戻ってくると、フレンダがベンチで爆睡していた。まあ、いつものことなのだが……
「フレンダ!起きてフレンダ!」
「ふ
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