第一話 『任務開始』
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でしごかれて育てばこうもなる。などと説明していると、いつの間にか支部長室の真ん前まで来てしまっていた。正直、あの変わり者にはできれば顔を会わせたくはないのだが、突然私の自室に顔を出されても困るので仕方がない。覚悟を決めた私は、意を決してドアをノックした。
「支部長。アリス・フィリア・レヴィオン大尉です」
「アリス君か。どうぞ入って」
私がそう言うとテノールでナルシスト口調の声が帰ってきた。それだけで私は回れ右をして今すぐシャワールームに逃げ込みたいのだが、その考えを何とか押さえ込みドアノブにてをかけた。
「失礼します」
中に入って最初に見に入るのは、第二次大戦中の戦艦 アイオワの模型。次に見えるのが、イラク戦争で実際に使われていたと言う実銃のバレットM82。そしてどこからてに入れてきたのか全く不明なタヌキの置物。その他もろもろの珍コレクション(しかもカテゴリーが様々)がずらりと並んでいて、もう趣味がワケわからなくなっている。
「支部長、一体なんのご用ですか?わざわざこんなとこにまで呼び出すなんて」
「なーに。ちょっとした任務の話さ」
このよくわからない異趣味で変な男こそ、SSF東アジア統括支部の最高司令官、トーマス・エルドリエ中将だ。
年はなんと34歳。こんな年で中将などと言う位にいるのはなかなかに異例だ。17歳で大尉の私が言えたことではないのだが……。IQはなんと238で、その指揮統括能力は米軍の将軍をもしのぐと言われる頭脳の持ち主だが、とにかく変人なのだ。
「それならディス(ヘッドマウントディスプレイの略、命名アリス)に送って頂ければ済むことなのでは?」
「まあ、たまには口頭で伝えるのもいいと思ってね」
どうやら先程の予想は後者が正解だったようだ。全くあきれた人だが、これ以上長居はしたくないので早速本題に入らせてもらおう。
「それで、その任務と言うのは?」
「うん。アリス君はもちろん、日本と言う国を知っているね」
また変なことをいい始めるのかと思っていたので、単刀直入な質問に、少し困惑して答えた。
「え、ええ。行ったことは無いですけど、うちの担当地域ですから。医学レベルは世界最高水準を誇る国であり、そのそれが逆手に出てしまい、少子高齢化?とか言うのが進んでいる。そうきいています」
「そのとうりだ。実はその日本の首都である東京に、蒼海学園と言う私立高校が在るんだが、その学校から、強力な生体エネルギー反応が検出された。アメリカ中央情報局(CIA)やイギリス情報局極秘諜報部(MI6)などが合同で調べた結果、レベルAクラスのESPであると判断された」
「ESP!?それもレベルAクラスって……」
ESPと言うのはエスパーを略した用語で、いわゆる超能力者。そ
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