横浜騒乱編
第20話 ダメー!
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気がついて会話に入ってきたエリカの一声だ。
「警察と軍にまかせることにした」
「えっ?」
「それでいいだろう?」
「警察はともかく軍って?」
「師匠に画像をみせてもらったんだけど、相手は、大亜連合特殊工作部隊の魔法師だってさ」
これで、さすがにエリカも、校外では引き下がるだろうと思っていた。
しかし、翌日の金曜日も土曜日もエリカが休んだだけなら、体調をくずしたのかもと思うが、レオも学校にこなかいとなると何かをしている感がする。
僕は学校へ行くのはともかく、帰りは道場に入って、迷宮まがいの地下道を通り自宅近くの出入り口にむかいたいのだが、智之さんか、高橋さんに「練習場へ来なさい」と、とめられる。自分がまいた種で、道場を通路としているから、仕方がないけれど、今日おこなう内容を智之さんから聞くと、例によって彼女だ。
年齢は20台後半。魔法師なら完全な行き遅れだが、純粋な一般人。性格もよくて、年上だけど、愛嬌もある。身長も高すぎず低すぎずなのだが、問題は体重だ。たぶん3桁はあるだろうが、聞いちゃダメと高橋さんに言われているので聞いてはいない。
投げる方はうまいだろう。痴漢に対処するための金的蹴りも、すばらしいほどだ。問題は、投げられる方となると、安定度が高すぎる体型のために、体勢を崩せる同程度の力量の相手がいないときている。そんな彼女の練習相手ができるのは、ここの道場で、彼女がくるこの時間帯には人数が少なくて、中学生時代は、たまにその役回りがまわってきてた。
2人1組の練習のメニューにつきあってから、練習場に練習をしているからには、稽古着に着替えているわけで、合気術の型だけでも自分の練習をしておく。大概は毎朝おこなっているものと半分は同じなのだが、夜もやって悪いものではない。
翌週の月曜日の朝。
エリカがへそを曲げているところを、美月がなだめていて、幹比古がおろおろしていて、レオは後ろ向き座りながらも苦虫をかみつぶしているところだ。
これは、レオとエリカがいなかったことにたいして、美月が「つきあっていたの?」とか、幹比古がさらにそれをあおったとかかな?
どうしようかと思って、Uターンしようとしたら、幹比古がすがりつくような声で
「あっ、翔」
「何かあったのかい?」
しかたがないから説明を聞こうとしたのだが、普段ならレオかエリカが勝手に言ってくのだが、この二人は現在話しそうにない。そして、幹比古は「あー」とか「うー」とかうなっているので、
「もしかしてレオとエリカの2人が金、土と休んでいたことかい?」
「そうそう」
レオのプシオンに力が足りなさそうに見えて、サイオンが活性化しているようなのにたいして、エリカは変化がない。
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