横浜騒乱編
第20話 ダメー!
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」
「なんでですか?」
「『魔法能力保有未成年者特別保護法』って知っている?」
「聞いたことはありますが……詳しくは覚えていません」
「魔法が使用できる能力を保有している未成年に、何らかの害が発生しうる時に保護をする法律なんだけど、君はそれの対象者なんだよ」
「えーと、それってそういえばたしか、魔法が使えるからと、親からとか不遇を受けるときに保護とかされるというんじゃ、ありませんでしたっけ? 自宅からかよっていますし、自宅内でも僕にはそんな覚えはありませんけど」
「そういうのが一般的だけど、君の場合は発火念力で、君自身を燃やしてしまう恐れがあるということで、保護司となる僕までしか、具体的な家族名や住所は、民間では探せないことになっている」
「へぇ。ちなみに民間では……ですか」
「国のシステムでも、直接的な親子関係とか住所とかの個人情報は、ある一定の権限を持った者にしか、閲覧できないことになっているから、それなりに安心したまえ」
「わかりました。ところで、こちらからしかけなくても、向こうからきた場合はどうしましょうか?」
「もうすでに、君でも対処できる術は会得しているのだろう?」
「あれって、人を殺せてしまう技ですよ」
「そうだが、それが嫌なら、アルバイト用の汎用型CADを持って歩いているじゃないか。それでいいだろう」
「いえ、そのー」
「攻撃は最大の防御なりが、君の信条じゃなかったかい?」
「たしかにそうですけど、このアルバイト用のCADって、人間相手の物じゃないですよ?」
「リユウカンフウが、万が一再度くるのなら、人食い虎の異名をもっているんだ。人間と思わない方がいいよ。僕でも防御主体の体術では勝てるかどうか、自信は無いからね」
師匠がこう言うってことは、僕では確かに無理だろう。って、師匠は防御主体でなければ、勝てる自信があるってことじゃないか。僕では相手に合わせて、身を護る技だけでは、やっぱり無理なのかぁ。そう思いながらもアルバイト用のCADをもち、半分迷宮となっている地下通路を通って、自宅のそばの出入り口へと向かった。
翌日木曜日の朝、教室に入るとエリカが難しい顔をしている。こういう場合は、気がつかれないようにそっと、自分の席につこうとしたら、幹比古が
「昨日の『そいつはまかせた』ってどういうことだい?」
「あー、別口の2人組がいたから、そっちと鬼ごっこ」
「別口って、シキを打っている方かい?」
「組織っていう意味では、同じか、違うかは判断しかねるよ。なんせ1人は顔を見たから、今日の感じでは変わったみたいだし、1人は人払いの結界をはるのが専門みたいだから、幹比古でも入れるかな?」
「どうしてつかまえないのよ」
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