横浜騒乱編
第19話 顔合わせ
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「ああ。嘘を言っている様子はなかった」
この話題は九校戦の後夜祭合同パーティで十文字が達也にたいして確認していたことだった。ひるがえって、陸名の場合は古式魔法が多様されているので、百家の可能性はあったが、まずは達也ということで、声をかけるタイミングがなかったというところである。
そしてその話で真由美が「血統を探るのは、良くないわ」と突然の打ち切りをはかった。達也が護衛としてきた時に、ボディガードである名倉に対する反応から『数字落ち』ではないかと考えていたからなのだが。
10月15日の水曜日。
校門から出たのは達也が論文コンペのサブ担当となってから、初のフルメンバー……1−Eは達也、レオ、エリカ、美月に夏休み明けから一緒に下校するようになった幹比古。1−Aは深雪、ほのかにそして雫。
雫といえば、夏休みのプライベートビーチへのお誘い。まあ達也を経由してだけど。
あーん。雫の実家である北山家って資産家じゃないか。そんなところのプライベートビーチって行ってみたかったぞ。アルバイトが先にきまっていなければ、行けてたかもしれないのに。こんな機会はもう2度とこなかったかもしれない。
アルバイトの方は、例によって除霊と名のついた、妖魔の再封印だ。なぜか、原因はいまだにわからないが、日本ではお盆の前後で封印が解けやすくなっている。この封印が解けやすくなるのは、各国で時期が異なるそうだ。
そういうことでお盆の前後は、ある意味、円明流合気術道場の売上が一番あがる時期だが、今年は夏休みの前半が九校戦に出場していたから、アルバイトはできなかったので、九校戦が終わった夏休みはアルバイト三昧とともに、母親の実家にも顔を出すのが恒例にもなっていたから、それなりに忙しい夏休みだったけれど。
そんな風に連想して思い出したところで達也が
「そういえば、ほのか。書記の仕事は慣れたか?」
「はい。深雪さんが教えてくれましたし、今年は翔さんと2人ですから」
「ほのかは、達也と一緒だった方が良かったんじゃないのか?」
「翔さん! そんなうれし……」
「翔、待て! 誤解を招くようなことを言うな」
「きちんと、中条会長から達也へ、生徒会役員就任の打診をしたって聞いているぞ!」
正確には副会長なんだが、そこは触れぬが吉であろう。ちなみに、なぜ中条会長から聞き出せたかというと、
「生徒会役員をやってくれない。ねぇ『半年』でもいいから」
という、『半年』という話からだった。通常は1年の任期で、途中の交代というのは、何かあったと勘ぐられて進路に響くと、中学の生徒会役員が途中で役員を降りてしまった奴がいて、それを覚えていたからだ。そこでつっこんで話をきいているうちに、中条会長の無意識のプシオンがおびえている感
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