第4部 誓約の水精霊
第5章 水の精霊
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小さい方の人影は、呪文を詠唱したギーシュに向け、風の魔法を放った。
ウルキオラは素早く身を捻り、ギーシュの前に立つと、その魔法を片手でかき消した。
「た、助かったよ…」
「失せろ…邪魔だ」
ウルキオラの言葉通りに、ギーシュは奥に避難した。
その直後、ウルキオラの体に衝撃が走った。
以前、片手で受け止めた記憶がある。
エア・ハンマーだ。
間髪入れずに、氷の矢が飛んでくる。
ウルキオラはそれを虚弾で迎え撃った。
氷の矢はバラバラにはじけ飛び、虚弾の余波が、小さい方の襲撃者を襲う。
氷の矢を迎え撃ったので、威力が落ちていたのか、吹き飛ばしはしたが、致命傷には至っていないようだ。
背の高い方のメイジが、ウルキオラの場所めがけて巨大な火の玉を放ってきた。
ウルキオラはそれを右手で受け止め、握りつぶした。
黒い煙が、ウルキオラの周りを覆った。
ウルキオラは響転で素早く移動した。
小さい方の襲撃者は、既に体制を立て直し、呪文の詠唱を始めている。
ウルキオラが決着をつけようと虚閃を放とうとした瞬間、ウルキオラと襲撃者達の間の空間が爆発した。
この魔法は……、ルイズか?
「ウルキオラをいじめないでーーーーーッ!」
ルイズの絶叫が月夜に響く。
ウルキオラは目を見開いた。
ルイズは自分を助けようとしたのか?
寝ていたというのに…。
微笑する。
馬鹿な奴だ…俺が負ける訳がないだろう。
ウルキオラは襲撃者に向き直る。
人間にしてはなかなかやる。
一人一人の力は大したことないが、連携がうまく取れている。
だが、大したことではない。
響転で襲撃者との距離を詰めようとしたその瞬間……。
二人組がぴたりと動きを止めていた。
ルイズの絶叫で、何かの気づいたらしい。
それからばっと被ったフードを取り払った。
月明かりに現れた顔は……、
「キュルケ!タバサ!」
邪魔と傍観しかしていなかったギーシュが叫ぶ。
「お前たちか」
ウルキオラは襲撃者の正体に、戦いの意欲を削がれてしまった。
「あなたたちなの?どうしてこんなとこにいるのよ!」
キュルケも驚いたように叫んだ。
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