第4部 誓約の水精霊
第5章 水の精霊
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「へー、そんな種族が存在していたのね〜。それで、その十刃ってのは一が一番強いんでしょ?」
モンモランシーがウルキオラに尋ねた。
ウルキオラはモンモランシーがしつこく自分の種族について聞いて来るので、仕方なく話したのだ。
「ああ」
「それで、あなたは何番なの?二番とか?」
ウルキオラはしばらく考え込んで、胸のファスナーを下した。
左胸にその答えが記されていた。
「四だ」
モンモランシーは目を見開いた。
そして溜息をつく。
「あんたで四って……恐ろしいもんだわ」
モンモランシーは頭に手を当て、やれやれといった身振りをした。
ウルキオラは目を伏せ、溜息をついた。
まったく、このハルケギニアの人間は、訳のわからん連中でいっぱいだ。
二つの月が、天の頂点をはさむようにして光っている。
深夜だ。
ウルキオラは探査回路を発動した。
モンモランシーは、そんなウルキオラの様子が怖くなったのか、震える声で呟いた。
「とにかく、私は戦いなんて大っ嫌いだから、あなたに任せたわよ」
「安心してくれ、モンモランシー。僕がいる。僕の勇敢な戦乙女たちがならず者共を成敗してくれる」
ワインでへべれけに酔っぱらったギーシュが、モンモランシーにしなだれかかった。
「いいから寝てて、お酒臭いし」
「安心しろ。お前に期待などしていない」
ギーシュは赤い顔で反論したが、ウルキオラは無視した。
ルイズの寝顔を見つめた。
「待っていろ」
小さく呟いた。
それから一時間も経った頃だろうか。
岸辺に人影が現れた。
人数は二人。
漆黒のローブを身に纏い、深くフードを被っているので男か女かもわからない。
しかし、ウルキオラはまだ飛び出さない。
あらわれた人物が、水の精霊を襲っている連中だと、決まったわけではない。
しかし、その二人組は、水辺に立つと杖を掲げた。
間違いないな、と思い、ウルキオラは立ち上がると、木陰から飛び出した。
連中までの距離はおよそ三十メイル。
虚の力と、イーヴァルディーの力を発動させたウルキオラにとっては、1秒もかからない。
しかし、ここで思わぬ乱入者が現れた。
木陰に隠れたギーシュが、魔法を唱えたのである。
二人組のたった地面が盛り上がり、大きな手のような触手となって、襲撃者の足に絡みついた。
「バカが…余計なことを…」
ウルキオラは悪態をついた。
敵の反応は素早かった。
背の高い方の襲撃者は、地面が盛り上がるのと同時に呪文を詠唱したらしい。
杖の先から溢れた炎が、二人の足をつかむ土の戒めを焼き払う。
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