第四話「ウェスト・ランド」
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年に1度訪れれば無料で年間パスポートを手に入れられその後一年間の入場料は0となるという破格のシステムが人を呼んだ。
それにより集客数はこの2年前で既に670万人、つまり単純計算で年に学園都市人口の8割が年に2回、この遊園地に来るのである。
これは千葉県にある毎年2700万人近くいう桁外れな集客力の遊園地に負けず劣らずの数字である。
ちなみに園内のスタッフの多くはこの遊園地を運営している学園都市の企業の特別な審査を受けた、外部の遊園地などでスタッフを勤めていたプロばかりである。一部のショーなど能力者が必要なアトラクションは園内に訪れた際の飲食の半額などのアルバイト割引などで学生アルバイトを雇用している。
収入は同じ規模の遊園地に比べれば立地的な問題もあり低いが、学園都市の技術力や能力者を使うことでアトラクションやショー、着ぐるみなどに掛かる全体の管理費などのコストを、外部の遊園地の5分の1以下に抑えられることで収入は大きく支出を上回っている。来年には新たなアトラクションの建設を2つ計画するなどの余裕もあるくらいだ。
園内は5つのエリアと1つのアトラクションに分割されており、それぞれのエリアには設定されたそのエリアのテーマを元に作られたアトラクションが集まっている。
園内に入ればまず通る、グッズを扱うショップやレストランが立ち並ぶ商店街「ミーン・ストリート」。
海や水のアトラクションを扱い、水流操作系の能力者と学園都市の技術によるダイナミックなショーが目玉の「シー・ベンチャー・ランド」。
地下合わせて全高100メートルの巨大な洋館の中に、ウォークスルーからシアター、洋風、和風など数々の趣旨のお化け屋敷が詰まったホラーエリア「ホラー・ロンサム・マンション」。
カヌーやジャングルクルーズなど自然をテーマとして扱ったアトラクション、動物との触れ合いを楽しめるアトラクションもある、高さ300メートルの人口山のエリア「ジャンク・マウンテン」。
学園都市の最新技術をふんだんに使い、更なる未来の学園都市をモチーフにした「トゥモロー・アカデミック・タウン」。
そして、この遊園地のシンボルである「ライト・ビューティ・キャッスル」。
以上の5つのエリアと1つのアトラクションからなる「ウィスト・ランド」。そのメインエントランスにあるチケットブースには連休中とはいえ初日の午後だというのにそれなりの列が出来上がっていた。
同時刻、キリトたちと別れた士道たち一行は遊園地の目の前に止まったバスを降車する。
「ここが「ウィスト・ランド」か……」
「へぇ〜。思ってたのよりしっかりした遊園地ね」
『楽しそうな場所だね。ワクワクしてるよ、四糸乃』
「私もです
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