第四話「ウェスト・ランド」
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」
「声に出てるぞ。ま、なンにせよお前のトマト嫌いが発覚したわけだなァ(ニヤァ)」
「(こ、こいつら楽しんでやがる……)」
これが因果応報というやつか。普段から2人の体格や性格をからかっている番外個体への、2人からの細やかな復讐というわけだろう。
いっそトマトが嫌いなことを認めてしまうか。いや。それでは今日の夕食には強制的にトマトが出てくることになる。そしてあの熱血教師黄泉川のことだ。番外個体のトマト嫌いが発覚すればどうやっても治そうとするに違いない。トマトを食べればいいと言われたらそれまでだが、それが出来たら今頃苦労はしていないだろう──。
どうやってこの窮地を抜け出すか。番外個体がこの問題を解決するために頭をフル回転させていた時だった。
「ン……」
一瞬、何かに反応した一方通行はポケットから携帯電話を取り出す。どうやら誰からか電話が来た様だ。
「……電話だ。すぐ戻る」
不意に杖を取り席を立ち上がる一方通行。そのまま足を引き摺りながらトイレへと向かう。
何にせよ助かった、と心の中で安堵した番外個体と、滅多に出来ない番外個体いじりを邪魔され少しだけ不機嫌になった打ち止め。2人は全くの反対の心境を抱きながら、一方通行の背を見送ったのだった。
★
11月3日 PM1:06
「──ごちそうさまー。いやー美味しかったねー!」
「そうそう!特にこのパエリアなどは絶品だったぞ!な!シドー!」
学園都市に来てからおおよそ1時間半。一行は、クラインがこの日のために学園都市在住のMMO内の友人にリサーチしていた第十四学区のレストランへと来ていた。
第十四学区はその特性上、外国料理の専門店が多く、留学生だけではなく他の学区の学生達も利用しているのでいる。値段は普通のレストランよりは少し高めだが、それで現地と変わり無い食事を堪能できるのである。
「壷井さんありがとうございます。俺たちに店のこと提案してくれて」
「いやいや!イイってことよ」
礼を言う士道に対し、何でもないという風に手を振るクライン。
士道たちにしてみれば少しばかりの前調べしかしてない街で、こんなに美味しい店を紹介してして貰ったのだ。感謝するのは当たり前だ。
「クラインは見た目とは違って結構気が効くからな」
「おいそこ。一言余計だぞ」
「そういえば、貴方達って壷井さんのことを「クライン」とか、直葉さんのことを「リーファ」とか呼ぶけど……それって何なの?あだ名?」
店員が下げやすいように食べ終えた皿を整理していた琴里は素朴な疑問を投げかける。
確かにキリト達のグループは、他にも「キリト」や「リズベッ
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