暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第三話「精霊と電脳の剣士、幻想殺しと橙茶色の少女」
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 なんにせよ、少女の発言が気が立っていた不良たちの更なるイライラの原因になったのは間違いない。これでは上条の作戦が台無しだ。

「まぁとりあえず」

 少女はそう言いながら、手を高く振り上げる。
 まるで、何かを引っ張るかのように。

 直後、

 ミシッ、という音と共に、コンクリートに放射線状の亀裂が入り込む。それも一箇所ではない。二箇所、三箇所、四箇所……全部で六箇所。

「………………へ?」

 不良を取り囲むようして出来たのその亀裂は、次第に盛り上がり──

メキッメキッメキッ!

 巨大な植物の蔓が、コンクリートを突き破って出現した。

「「「「ぬ、ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」」」

 突如現れた植物の蔓は逃げようとする不良たちを、的確に、迅速に巻きついてきた。蔓に巻きつかれた不良は必死でもがくも、蔓の一つ一つが大木の根ほどもあるため、振りほどくことはできず、蔓に巻かれていく。

「えっ…………えっ?」

 あっという間に4人の不良は、蔓に身体上を巻きつかれ、身動き一つ取れなくなった。
 突然の出来事に、頭がまったくついていかない。上条は一部始終を、呆然と眺めることしかできなかった。

「──さてと…大丈夫?おにーさん」

「へっ?……あ、ああ」

 少し目線を下げると、そこにはやはり年相応の幼い少女がいた。

「俺は大丈夫だけど……こいつらは」
「安心して。絞め殺そうなんて気はないし。ま、暫くこのままでいてもらうけどね」
「「「「た、助けてくれ……」」」」

 確かに逃げられない程度にはきつく縛られているが、怪我などは無いようだ。

「そ、そうか。一応警備員(アンチスキル)に連絡しとくか……」

 ズボンのポケットから携帯電話を取り出し、警備員(アンチスキル)に連絡する上条。後は警備員がどうにかしてくれるだろう。この蔓を解くのには苦労しそうだが。

「…………これでよしっと。じゃ早々にここから退散するか」

 取り調べまで受けていたらインデックスとオティヌスが何をされるか分からない。ここはコンビニのゴミ箱にゴミを捨て、早々に立ち去るとしよう。ATMは別の場所ですればいい。
「それじゃ、俺は用事があるから。後は今から来る警備員の人たちがなんとかしてくれるだろ」

 ゴミ箱にゴミを突っ込み、もう一度信号を渡る上条。
 後は警備員(アンチスキル)がなんとかしてくれるだろう。

 が、

「…………で、なんでついてくんの?」

 少女はとことこと信号を渡る上条についてきたのだった。

「私、あなたに興味持っちゃった」
「は、はい?」
「あ、勘違いしないで
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ