第三話「精霊と電脳の剣士、幻想殺しと橙茶色の少女」
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たこともあった。あの時貰った手作りのクッキーはとても美味しかったことを覚えている。
「やっ。入院中はお見舞いに来てくれてありがとな。クッキー、美味しかったよ」
「いえいえ、ありがとうございます。クッキーの感想は御坂さんにも言ってもらえると嬉しいんですが…」
「御坂にか?了解、今度会ったら言っとくよ」
右手を挙げて初春に了承の意を示す上条。何故か初春・佐天の口から"よしっ!"という言葉が聞こえた気がしたが、別に気にすることでもないだろう。
「あ。インデックスちゃん、オティヌスちゃん、久しぶり!」
「久しぶりなんだよ、さてん!」
「久しぶりだな、3人とも」
ちなみにインデックスやオティヌスもこの3人とは顔見知りである。「魔術」に関して何も知らない3人には2人のことは「学園都市に勉強のために来たイギリス清教のシスター」と「特殊な能力により、身長が縮んでしまったイギリス清教の関係者」と言い、上条はイギリス清教の知り合いから2人を押し付けられたと説明しておいた。あながち嘘でもないし──まぁ少し疑られたが──美琴のフォローもあり、ことなきを得た。
「……ところで、お前」
「へ?なんですか?」
「…その手にしたピンク色の物体はなんだ?あんまり美味しそうには──」
「美味しそうなんだよ!」
「見えな…へ?」
「ああ。これ?これ、いちごもんじゃって言って、あそこのもんじゃ焼き屋さんで買えるですよ」
「ほぉー。食べたいんだよ!」
「…………その子の感性もアレですわね」
「食べ物以外に関しては割と普通なんだけどな……」
「とうま、とうま!早くご飯にしよ!ほら!」
「…………いちごもんじゃという物は流石に嫌だが、普通のもんじゃという物には食べてみたい。私もあれからにしよう」
インデックスに腕を掴まれ、無理矢理もんじゃの屋台に連れて行かれる。
祭りの屋台の食べ物といえば安くて美味い物が多い。上条のスカスカなお財布にも優しく、インデックスも満足してくれる。これなら上条も泣くこともないだろう。
──と甘い希望を持っていたのが間違いで。
「…………」
「おい上条!しっかりしろ!」
30分後、ベンチにはすっからかんになった財布を見て呆然となっている上条・両手に屋台の食べ物を大量に抱え込み、ソースやらマヨネーズやらで口を汚した幸せそうな顔のインデックス・そして呆然としている上条を見て、上条の隣であたふたとするオティヌス・飼い主と同じで日向で気持ち良さそうに寝ているスフィンクス、と、それぞれ全く違った表情をした3人と1匹が座っていた。
「上条さーん。しっかりしてくださいよー。御坂さんに嫌いって言われた時の白井さんみたいですよ」
「初春……
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