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魔王の友を持つ魔王
§62 後顧の憂い
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とかしてくれることを願うのみ。

「僕は僕で復活できるように調べないとなぁ……」

 とりあえずは、あの魚の情報を収集しなければ。アレクやヴォバンに借りを作りたくはないのだけれど、背に腹は代えられない、か。

「事情を話して協力要請、かな。……戦力外ってのは堪えるなぁ」

 なんと言われるか、考えたくない。

「大丈夫だよ」

 独り言のつもりで放った一言に返事が返ってきたせいで、思わず身体がビクッ、と跳ねた。

「!?」

「ごめんごめん。なんか起きだすタイミングが掴めなくって……」

 うわ、ヤバい。超ハズい。

「あははー顔真っ赤だ」

 恵那に笑われるも気恥ずかしさのあまり目をそらすことしかできない。

「うるせぇやぃ」

----身体が前に倒れこむ。目の前が白一色に染まる。

「大丈夫だから」

 ぎゅっ、っと。恵那に抱きしめられていると気づいたのは数拍遅れてから。

「権能がなくても、恵那はれーとさんの傍にいるから、ね?」

 何を言ってるんだろう。僕は別にそんなこと気にしてはいな----

権能(いままであったもの)がイキナリ無くなって不安なんでしょ?」

 それは、そうだ。だけどそんなに動揺はしてないはずだ、

「----権能が無いと、みんなの助けにならないと。捨てられるかもしれないって不安なんでしょ? 戦い以外何も出来ないから」

 身体が、震えた。そんなこと、考えたことなかったはずなのに。否、考えないようにしていただけ? 戦い以外に出来ることがないから、戦いを渇望していただけ?

「れーとさんから権能とったら確かに何も残んないかもしんないけどさ」

 引きこもりのダメ人間だし、と笑みを含ませながら、彼女は言う。

「大丈夫だよ。みんなれーとさんのこと見捨てたりしないから」

「……うん」

 戦いしか無い。権能が無いことも不安だ。だけど。不安が無くなった気が、した。
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