第二話「学園都市バスツアー」
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年中眠そうにくまを作る残念美人(ラタトスク職員談)、令音が士道の代わりに答えを出す。
「なんか目立つわね……形も色も」
オープントップバスは開放感と眺望を確保するために屋根の一部または全部を取り払ったバスのことでオープンカーの一種と考えられる。 日本国内各地でも一般客の乗車できるオープントップバスの運行が開始されており、誰でもテレビで見たことがあるバスだ。2020年の東京オリンピックでも観光バスの一つとして外国人客に多く利用されていた。
「送迎バスの乗り場もここみたいですし…本当にこのバスみたいですね」
『よしのん、なんだか緊張してきたよ〜』
??
「む!もしかして学園都市特別見学会の参加者の方々ですか!?」
珍しいタイプのバスをじろじろ見ていた一行は、ふと後ろからかけられた声に振り返る。
そこにはストレートの金髪・碧眼の士道と同じくらいの少女が愛想のいい笑みを浮かべながら立っていた。着ている制服は修学旅行やツアー旅行などでよく見られるバスガイドの制服だ。
「質問。あなたはどちら様ですか?」
「ああ、挨拶は基本でしたね…。わたくし!今回の学園都市特別見学会のバスガイドを務めさしていただきます、因幡智恵と申します!!」
そう言いながらくるくると回り始めた少女。どうやらこの少女が今回、士道たち一行を学園都市へナビゲートするバスガイドらしい。 まだ士道たちと同じくらい若いのにツアーのバスガイドとは、対した人である。
「よろしくね〜☆」
「うむ!よろしくなのだ!」
智恵の挨拶に元気良く答える十香。
「バスに乗るのはもうちょっと待ってくださいね!!運転手が車内点検してますから!あ、おにーさん!荷物の詰め込み手伝いますね!」
「あ。ありがとうございます」
「いえいえ。仕事ですし。しっかしおにーさん荷物多いね〜。ハーレムだったはいえ大変だったでしょ」
「ハハハ……」
バスガイドからの感心の言葉に、士道は思わず苦笑する。東京駅までは車を令音が運転してきたが、駐車場からバス停までは9人分の殆どを士道1人で運んでいたのだ。距離は短かったが流石に少し疲れたのも事実だ。
「私は何度も自分で持つと言ったのに…」
「いいよ、いいよ。これくらいは俺が持つって」
不満に顔を膨らませる十香に何でもなさそうに笑顔で応える士道。こういう場合、女性の荷物を持つのは男性の義務とも言えよう。何より重たい荷物を女性に持たせてまま見て見ぬ振りなど、自身の男としてプライドが許さなかった。
「………………………チッ」
「?……なんか言いました?」
「なんでもないですよー」
「?む、そうか?」
一瞬聞こえた舌打ちに頭を
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