第一話「交差する世界」
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ド。キンジの実家である遠山家の者に代々遺伝しているとある体質のことだ。
特殊な体質で、今までもキンジはそれに助けられたことが多い。いや、その体質に助けられたことしかなかったしかなかった。
──ただ、それに切り替わるきっかけとそれ中の自分の言動故に、キンジはあまりヒステリアスモードを心から受け入れるということができずにいた。
閑話休題だ。アリアの話に集中しよう。ちゃんと聞かなければまた銃口を向けられる。
「学園都市の内と外じゃ科学技術に20、30年の隔たりがあるって話よ。それに、あの街のセキュリティーはそこらの研究機関とは比べ物にならないわ」
「並河製薬会社の社長さんはそこに独自の研究施設を持っているんだけどね。その研究施設、学園都市外との連絡手段が月1の製品出荷のトラックだけなんだって〜。並河製薬会社は学園都市にて薬の販売が認められてるわけでも無いし、セキュリティーは確かに凄い科学技術も進歩してるけど、逆に言えば製品の出荷がしにくいあの街に社員にも隠すようにして作られた謎の施設!理子には怪しい匂いがプンプンしてならないんだよねー」
言われてみれば、確かに怪しい。
学園都市に施設を持つには土地を借りるためや何やらで都市側に払う莫大な費用がかかるらしいし、その割りには学園都市で販売できるわけでもなく、完成した製品を運び出すだけでもこれまた費用がかかる。明らかにメリットとデメリットが釣り合わない。
キンジは知らないが現に学園都市と協力関係にある企業や都市は、そう言ったことを理由に学園都市内に研究施設を作ることは殆どない。あるとしても学園都市の技術をいち早く大元に伝えるための小規模な研究施設くらいだ。
だが、殆ど陸の孤島と化している街のセキュリティーで人目を避け、その維持にかかる莫大なコストを度外視できるレベルの製品を作っている、そう考えればこの研究施設に意義が見出すことができる。
「万が一、公的機関に依頼を調査して黒だったら会社が受ける被害は計り知れない──そう考えた専務は武偵校に調査を依頼することにしたんだって」
「なるほど……一応、話の筋は通っているな…」
もしも本当に生物兵器が作られているとしたらほっておくわけにはいかない。この依頼を受けたアリアの判断は正しいだろう。
「人数は最高でも10人以下を予定してるわ。リーダーは私。私たちバスカービルメンバーが潜入するとして逃走用の「足」と本部の連絡係、待機要員を他に集めるつもりよ。これで説明は終わり。判った?」
「はい」
「久しぶりの任務だ。役に立てるかどうかはわからんが全力を尽くそう」
うなづく2人。これでバスカービル全員の意思は一致した。
「まずは問題の研究施設に乗り込むわ。その上で白なら
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ