第一話「交差する世界」
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付き合いは長いのに今だに士道を「シン」と呼んでたりする。
「そうと決まれば準備しなくちゃね。行くのは11月3日からでしょ?」
「ああ。1日から大型連休だし一週間かけて学園都市の様々な場所を巡るらしい」
「そう。なら明日は買い物に行かなきゃね。付き合いなさいよ」
「おう。了解」
手を上げる士道。 何だかんだで琴里もノリノリではないか、とは言わないでおく。
「そういえば風呂沸いてたわよ。先、入ってきなさい」
「ん。じゃあ遠慮なく」
そう言うと椅子から立ち上がり、士道は風呂場へ向かった。服と体を拭くタオルは準備してあるし、すぐに入ることができるだろう。後がつかえるし、早めに入ろうと士道は風呂場の扉を開けた。
まる
それを見送った琴里は、口の中に新しいチュッパチャプスをくわえ、もう一度携帯電話を取り出す。
「令音?」
『琴里か』
「すぐに調べて欲しいことがあるの。学園都市の──特別見学会について」
『……気になるのか』
「先月の25日に世界中で感知された謎の霊力反応。それに外部の人間を決して寄せ付けなかった学園都市の、いきなりの特別見学会。偶然にしては出来すぎているわ」
『──了解した。できる範囲内で調べておこう』
「……しかし、ほっんとあいつもそろそろ女の子が不満にならないように言いくるめるスキルと女の子に対する度胸くらい持って欲しいわね…言葉で女の子の事を自在に操れる…いや、それは求めすぎ──」
??
「ぶえっくしょん」
「なによ、キンジ?あんた風邪?」
「いや……気にすんな。ただのクシャミだ」
「キンちゃん、季節の変わり目だからホントに風邪かも。ちょっと熱測ろう」
「むっ!ゆきちゃん!おでこで熱を測るつもりですな!!じゃあ理子も測る測る!!」
「…………」
「ちょっとあんたたち!ちゃんと仕事の説明聞きなさい!!」
3,
「コホン……じゃ、気を取り直して説明するわよ」
二丁拳銃を出してとりあえず場を収めたアリアは無事にガバメントをケースに戻した。ホッ、と息を着くキンジ。本当に、こいつの乱射癖はどうにか修正した方がいいと思う。
……いつか公の場で乱射しだしたら収集がつかなくなるしな。
現在、午後5時26分。今、キンジとレキは東京武偵校第三男子寮にあるキンジの部屋にてバスカービルの面々に、2人が東池袋高校に転入している内にバスカービルが受けた、ある「厄介な仕事」の説明を受けていた。もちろん、キンジは授業後に無理矢理連れてこられた口だ。
「依頼主は武偵校のスポンサーの1人、並河製薬会社の経営専務。本人の頼みで名前は伏せて
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