第一話「交差する世界」
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「おめでとうございます!1位はなんと、学園都市特別見学会の特別招待チケット4名様!!」
学園都市。
士道も耳にしたことならある。たくさんの教育機関が密集した科学の街で、その中と外とでは30年近い科学技術の差があると言われている街だ。 その超能力開発という研究が推奨されている特異性や高い技術力から、外部とは高い壁を持ってして完全に隔絶された都市。
超能力者が実在する街。それが士道の知る学園都市だ。
「シドー!学園都市がどこだかは知らないが、面白いところなのか?」
「う〜ん。俺も詳しく知ってるわけじゃないけど…ん」
と、士道は手渡された4枚のチケットを見ながら呟いた。
「十香は学園都市に行きたいか?」
「シドーが行くというのなら私もついて行きたいぞ!」
「あと1枚は琴里の分として……」
「──残り1枚で誰を誘えばいいんだ?」
??
「面倒なことになったわね」
夕食後、士道がこのことを琴里に話すと、帰ってきた第一声がこれだった。
「…やっぱりそうだよな」
机の上に置かれた4枚のチケットを見ながら士道は苦笑する。
「士道と一緒に旅行。そんなことを言ったら十香も、四糸乃も、耶倶矢も、夕弦も、美九も、七罪も、行きたいって言うに決まっているわ。もしその中で「2人だけ」ってなったら他の行けない4人が不機嫌になるのは間違いなし」
「どうしたものか…」
実際、前にも似たようなことが天央祭のミスコンでもあったその際はうやむやになったおかげで誰も不機嫌にならなかったが今回はそうは行かないだろう。
「ったく。なんでこんな物引いてくんのよ馬鹿」
「いや、俺に言われても」
「……仕方ないわね」
そう言うと琴里はポケットからタッチパネル式の携帯電話を取り出して、電話を掛ける。
『司令ですか?』
「神無月」
電話を掛けた先は神無月恭平。ラタトスクの副司令で琴里の右腕でもある男だ。
「至急、学園都市特別見学会の招待券を5枚揃えて。どんな手を使ってもね」
『了解しました』
「あと見学会の時には学園都市の上空にフラクシナスを配備したいんだけど…できる?」
『フラクシナスはあそこの科学技術とほぼ同じレベルで作られていますが…上空2万6千メートルが学園都市の防空システムに発見されない限界でしょうか』
「それでいいわ。任せたわよ」
『了解です。頑張りますから是非踏んでもら』
ピッ
「?5枚って…」
「後1枚は令音の分よ。引率が必要でしょ」
「あ、ああ。そうだな」
ラタトスクの解析官である村雨令音はこういう旅行なんかのイベントに必ずついて来る女性だ。
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