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剣の世界で拳を振るう
お礼なんていりません
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参考にさせてもらうくらいはしなきゃ」

「……」

あぁ、思い出した。
これ須郷さんに似てるんだ。
何て言うのかな……狂愛?狂信?そんな感じの目だ…。

「あ、そろそろ帰らなくちゃ…」

「そっか。朝田さん、自炊してるんだよね。
も、もしよかったらまた今度食べてみたいな…なんて」

「あ、うん……また今度、もう少し腕が上がったらね…」

あざとい…あざといぞ少年!
よく見ろ、朝田ちゃん引いてるじゃねえか!

「拳士…さんも、今日はありがとうございました」

「いやいや、こうしてお礼も頂いたし。
お腹の事情は既に満腹で満たされてるさ」

「…ふふっ……それでは失礼します」

「あ、僕も帰りますね。さよなら」

「ああ。縁があったらまた会おう」

正直少年との縁は繋がってないことを祈りたい。

二人は其々に店から出ていき、後に取り残された俺は一息ついた。

GGO…優一が言っていたフェアリィダンスの続編。
おまけに剣じゃなくて銃ですか…。撃たれると痛いんだよなぁ…。
つーかもうソード関係なくなってね?ゲームで人が殺せます何て布教するような言い回ししやがって。

「…ん?メール……和人からか」

思考の海に潜っていたとき、徐に携帯が振動し、取り出してみれば和人からのメール。
内容は…

「今日の午後5時にログイン…か。
へぇ、アイツ病院からログインするのか」

どうやら和人はSAOから生還した際の病院で厳重なセキュリティを駆使してログインするらしい。
用意したのは言うまでもなく菊岡さんだろうが、まぁそこは良いだろう。
問題なのは俺には用意されていないとの事。
この差は一体何なのだろうか?

「………4時半か……帰ろ」

俺はゆっくりと立ち上がり、喫茶店をでる。
外は未だに人が多く、商店街な雰囲気がライトアップされてきらびやかになっていた。

「……寒ぃ」

吐息は白く、気温が低いことを示しているソレは、俺に早く帰れと急かしているように聞こえた。
俺は揺ったりとしたペースで走りだし、家路をたどるのだった。
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