いざ、世界へ といってもまずは里帰り
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馬は乗った経験は少ないが、この馬は比較的に大人しい馬なのでそれほど苦労しなかった。
今は俺が育った村に向かっている。
父さんと母さんにこれからの事を話すためだ。
馬を上手く操る為にも一日くらいで着く筈だったが、二日くらいかかってしまった。
村の入り口まで行くと、入り口付近にいた村人が俺に声をかけてくる。
「この村に何の用ですかね?」
その人に見覚えがあった。
住んでいた家の隣に住んでいた男の人だ。
俺は馬から降りて、軽く頭を下げる。
「あの、俺の事を覚えています?」
「?」
その人は首を傾げながら俺の顔をまじまじと見る。
あっ、と何かに気がついたのか恐る恐る聞いてくる。
「もしかして関流さんの息子さんかい?」
「はい。
お久しぶりです。」
「いや〜、大きなって。
最初は全く分からなかったよ。
そうだ、皆に知らせないとな。」
走って村に戻っていく。
苦笑いを浮かべながら手綱を持って村に入って行く。
小さい村だから俺の事はすぐに広まった。
母さんと父さんはすぐに駆け付けてくれた。
母さんは俺の姿を見て涙を浮かべながら俺に抱き着いてきた。
父さんも近づいて、俺の頭を撫でる。
他の村の人からお久しぶりや大きくなったな、と声をかけられつつ我が家に戻る。
何年も帰ってきてないけど何も変わっていなかった。
刀を置いて俺は座る。
それに対面するように母さんと父さんも座る。
「その剣。」
「旅をしている時にね。
今では俺の愛刀だよ。」
「しかし、大きくなったな。
それにかっこよくなったな。」
「うんうん。
私も同い年なら惚れていたかもね。」
「何馬鹿な事を言っているんだよ。」
俺達は笑いながら久しぶりの家族との会話する。
そして気がついた。
ここにもう一人の家族がいない事を。
「あれ、愛紗は?」
「愛紗なら居ないわよ。」
「えっ?
どこに行ったんだ?」
「縁を追い駆けに行ったのよ。」
「俺を?」
母さんから俺が村を出て行ったからの事を聞いた。
何でも愛紗も強くなりたいと言い出したらしい。
理由は俺みたいに強くなりたいと言ったらしい。
それを聞いてとても嬉しくなった。
最愛の妹が俺のために強くなってくれるんだぞ。
こんなに嬉しい事はない。
でも、それだとおかしくないか?
「本当に入れ違いよ。
縁が戻ってくる少し前に自分から兄様を見つけるんだ、と息巻いて村を出て行ったのよ。」
完璧な入れ違いだ。
という事は俺も旅をしていると出会う可能性があるという事だろう。
まぁ、確率はもの凄く低いけど。
「あの子はねもの凄く強くなったわよ。
最後の方は私でも勝
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