第三十七話 川の中での戦いその五
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「それで確かに打ったんだけれどな」
「確かに結構な一撃だった」
「結構、でもな」
「わしは熊だ」
熊の怪人だからだというのだ。
「この程度ではな」
「倒れないんだな」
「熊は鉄砲でも容易には倒せない」
「そうみたいだな、下手に撃ってもな」
「筋肉と皮、毛でだ」
そうした身体の鎧全てで、というのだ。
「防ぐ」
「そうだよな、熊は守りも固いよ」
「そのわしを倒すことは出来ない」
決して、といった口調での言葉だった。
「その棒でもな」
「効かないってんだな」
「並の怪人ならこれでかなりのダメージを受けていた」
先程のだ、薊の棒のみぞおちでの一撃でというのだ。
「しかしわしは違う」
「今のじゃか」
「倒れない」
決して、という口調での言葉だった。
「残念だったな、ではだ」
「今度はあんたの番かよ」
「さらに攻めさせてもらう」
こう言ってだ、実際にだった。
怪人はその両手での攻撃を強めてきた、そしてその横では。
狼の怪人はまさに狼の姿勢、四つん這いのそれになってだった。
その鋭い牙で飛びかかりつつ菫に攻撃を繰り返していた、飛びかかりそして着地して反転し即座にだった。
攻撃を繰り返す、その攻撃をかわしつつだった。
菫も薙刀を繰り出す、だが。
怪人の素早さの前に斬?も突きも当てられない、それで菫は言った。
「狼ならではね」
「その通りだな」
「ええ、牙で来るわね」
「狼の武器だ」
その牙こそが、というのだ。
「この牙に勝てる者はいない」
「かもね、いい攻撃よ」
「しかもだ」
風、漆黒のそれの様にだ。怪人は素早く動き。
飛びかかり菫の喉笛を狙う、菫はその一撃もかわし。
そうしてだ、こう言った。
「危なかったわ、今のは」
「今のをよくかわしたな」
「かわしてみせないと」
それこそ、というのだ。
「死ぬから」
「だからか」
「何度でもかわしてみせるわ」
「そのことは見事だ、だが」
「それでもっていうのね」
「貴様はわしを攻められるか」
怪人である彼をというのだ。
「果たして」
「このままでは無理ね」
菫は冷静な声で怪人に言葉を返した、その間も怪人の一撃離脱の攻撃が続き菫はそれをかわし続けている。
「正直に言って」
「そうだな、ではか」
「力を使うわ」
そうして、というのだ。
「そのうえで倒させてもらうわ、貴方をね」
「やはりそう来るか」
「読んでいるのね、そのことを」
「当然だ、貴様等が力を持っているからこそだ」
それ故にとだ、怪人は一旦攻撃を止めて菫の前で構えを取りなおしてからそのうえで菫に対して答えた。
「我等は狙っているのだからな」
「力を?」
「貴様等が凡人なら何の意味もない」
戦うその意
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ